Trauer 19 [副作用] ページ20
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あれから、明くる日も美桜先輩と何十と戦ったのに勝ち星は、ギリギリ二桁を超えるくらいだ。
どの武器よりもいい成績を修めてはいるものの、こう何度もやられるのは正直悔しい。
どうやったら、生きれる? 死にたくない。
ふと、昔__お父さんたちがまだ生きていた頃。
何故か私は剣術を教えられていた。
今思えば何故剣術を教えられていたのかは、よく分からないけれど、その時のやり取りを思い出す。
────なんで、お兄ちゃんとお父さんはつよいの?
────そりゃ経験の差だ。
────でも、お兄ちゃんはお父さんについて行けてるもん…………。
思うよりもお父さんも、お兄ちゃんも強くて反撃すらできないままにいつも私は負けていた。
だからいつも悔しくて。
だからその日も拗ねて、そんなことを言った私にお父さんは笑う。
────勝ちたいんだったら、よく相手を見ろ。
────見る?
言われたばかりはよくわからなかった。
だって、今だって見ていると思ったから。
────そうだ。どんな些細な動きも見逃すな。それから考えるんだ。どうやったら生きれるか。どうやったら相手を仕留められるか。
────そんで考えたことを実行してみて勝てるか試してみればいい。これは実戦じゃない。トライ&エラーは大事だぞ〜!
そう言ってお父さんはぐしゃぐしゃとかき混ぜるように頭を撫でてくれた。
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作者名:猫鞠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=neconuco
作成日時:2021年3月7日 1時