検索窓
今日:35 hit、昨日:2 hit、合計:32,701 hit

Trauer 12 ページ13

「よく見ればわかるかもしれないよ?」


「ごめん、分かんない」



私の頭上を飛び交うその会話がなんともいたたまれない。

私が紛らわしい容姿をしていることは自覚済みなので、殊更傷ついたりはしないけれど。



「そうだ、こいつはまだ自己紹介してないだろ? こいつは五月女(さおとめ)桐也(とうや)。俺と同じ高二だよ」


「おい、迅…………」



勝手に自己紹介された故か嫌そうに顔をゆがめる五月女先輩。

あまり新参者が増えるのを好ましく思っていないのかもしれない。



ふと、彼と目が合う。

どうしたらいいか分からずとりあえず笑ってごまかした。




「よろしくお願いします」


「…………あぁ」



無愛想な人と愛想のいいひとの差が激しいな。

愛想がないのは正直叔母さんの息子もそうなので、特に何も思わない。


本当にここでやっていけるのかな…………。

そんな不安がよぎった。



.

Trauer 13 [意外]→←Trauer 11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
70人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:猫鞠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=neconuco  
作成日時:2021年3月7日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。