其の一 ページ17
酔って倒れている桃太郎を指差し笑う白澤。こちらも酔っている。
閻魔「あ〜〜〜飲み明かすのって「日本の伝統」って感じするな〜〜〜」
鬼灯「因習ですよ。ホラホラ、空気なんて読まなくていいですから帰りたい人は帰りなさい」
貴方「今帰らないと大王の自伝語りが始まりますよ」
梅酒を飲みながら告げるA。
獄卒「帰るぞォォォォ!!タイミング作ってくれてありがとう鬼灯様A様!」
蜘蛛の子が散るように静かになった。
鬼灯「…叫喚地獄の亡者共と同じですよ。これじゃあ」
桃太郎「叫喚地獄?」
鬼灯「まァ平たく言うと酒乱の堕ちる地獄です」
貴方「あそこの16小地獄は全て酒絡みです。酒乱の巣窟でしてね……」
扉が開き一人の獄卒が来た。
獄卒「あっ!いた!!大王!鬼灯様!A様!」
獄卒「叫喚地獄の亡者共が雑用係・八岐大蛇(やまたのおろち)の持っていた酒を奪いました!!!」
鬼灯・貴方「どういうことですか!」
貴方「せっかく更正施設(叫喚地獄)でリハビリ(禁酒)してたというのに…!」
白澤「亡者リハビリやってんの?」
桃太郎「(そして八岐大蛇は雑用やってたんだ……)」
獄卒「もう「帰って来たヨッパライ」フルコースでドンチャンベロンベロンです!」
鬼灯「歌詞は微妙にマッチしていますが地獄で「天国よいとこ」などと歌われては屈辱です!」
白澤「正確だけどよく解らん分析するな。お前は」
閻魔「鬼灯君ワシも行くよ!」
鬼灯「大王はどうぞここにいてください。ボス(上司)は会議室にいていいのです。事件が起こっている現場へは私達(部下)が行きます」
閻魔「鬼灯君……カッコ良く言ってるけど要するに厄介払い!?」
鬼灯「うん目立つし邪魔!!!」
タメで言い放つ鬼灯。
桃太郎「何か手伝いましょうか?」
貴方「あそこの亡者はとにかく“タチ”が悪い!危険ですからついて来なくていいですよ」
白澤「…そう言われると行きたくなるよね」
54人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梅雨 | 作成日時:2018年5月21日 0時