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赤Side


急に扉が開いたかと思えば
そこには手を繋いだ康二と目黒が
緊張した面持ちで立っていた。

それを見て弱々しく康二の名前を呼ぶ翔太。


「やっぱりちゃんと話さなあかんと思って戻ってきた…」

「そっか、おかえり。康二、目黒」


恐る恐る話す康二に優しく声を掛けると、
そこでやっと二人の顔から緊張が消えた。


「…目黒。」


そんな二人の前に立ち目黒の名前を呼ぶ翔太と、
翔太にビビッて肩を震わせる目黒。

それに気づいた康二がそっと目黒の肩を抱き
そっと自分の方へと抱き寄せた。


「…ごめんっ!!!」


がばっと勢いよく頭を下げる翔太に二人の目が見開かれた。


「翔太くん…」

「本当にごめん目黒…。俺、最低なこと言った…」

「いや…」

「康二のこと大切なくせに康二の気持ち何にも考えてやれなかった…。康二もごめん…」

「うん…。」

「ごめん目黒…」

「もう大丈夫です…。」

「めめが許すんやったら俺も別に怒らん。それに俺もたくさん酷いこと言うた…。しょっぴーごめん」


頭を上げない翔太に今度は康二が頭を下げる。


「康二は悪くない。俺が目黒にあんなこと言ったからでしょ…?」

「うん…」

「本当にごめんな二人とも」

「いや、もう頭上げてくださいよ翔太くん」


ずっと頭を下げたままの翔太を見かねて
目黒が無理矢理顔を上げさせた。


「目黒。俺、本当に康二のことが大切なんだ。だから正直お前に取られるのが嫌。」

「ちょっとしょっぴー!」

「でも…、俺は康二の一番にはなれない。だからさ、お前はずっと康二の一番でいてやって?お前の一番もずっと康二にしてよ」

「はい、」

「それが約束出来るなら認める…。」


たったの一言だったけど、
その言葉の中には色々な覚悟が詰まっていた気がする。


「俺から康二を奪った罪はでけぇぞ?傷付けでもしたらここにいる全員でお前のことフルボッコにすっからな」

「…っ」


目が一切笑っていない翔太に目黒は固まった。


「めめ大丈夫やで。そん時は俺が守ったるからな?」


そんな目黒の目を覗き込み、
頭を撫でて優しくはにかむ康二。


「俺は自分がめめに傷付けられることよりめめが傷付けられる方が耐えられんよ。」


ぽん、ぽん。

そう目黒の頭を撫でる康二は
なんだかいつもよりも大人びて見えた。





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真夏野スピカ(プロフ) - かおりさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 楽しみにしてます!ありがとうございます! (2020年12月13日 19時) (レス) id: 471bec5651 (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - テンプレ返信ごめんなさい… (2020年12月13日 18時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - かおりさん» コメントありがとうございます!Part2は現在作成中のためパスを付けてるんです…。0時には開けるようにしますのでお待ちいただけたら幸いですm(__)m (2020年12月13日 18時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - トマト鍋さん» コメントありがとうございます!Part2は現在作成中のためパスを付けてるんです…。0時には開けるようにしますのでお待ちいただけたら幸いですm(__)m (2020年12月13日 17時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真夏野スピカ | 作成日時:2020年11月13日 19時

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