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「かぜ……！！」
まだちゃんと魔法を習っていないから、この頃の私は正式なルフへの命令式は知らなかった。
ただ、本能で、風のルフを捉えていた。
前の夜。ジュダルの髪をぐちゃぐちゃにしてしまった時も、風の爆発が起きた。
(あのときは……)
そうだ。あの時に紅覇様から貰った杖を使ったんだ。……思い出して、わたしは薄桃色の衣を止めるための紅い帯に挟んでいた、銀色の杖をとりだした。
それから、腕をピンと天高く掲げて。……杖の端を天井に向けた。
小さいころ、……まだ、石の部屋に入れられる前に。お母様やお父様に褒めてほしいと、何も知らずに部屋にハリケーンを起こした。
そのときの感覚を思い出そうとした。
体の真ん中あたりが熱くなって。
その熱が全身に広がっていく。
そして、意識した場所に、ふよふよと……私のなかから生まれた、白いルフが集まった。まずは頼りない風が生まれた。
杖が微かに振動していた。
それから、
(もっとふけ！ もっとふけ！！)
目をぎゅ――っと瞑って、イメージした。
強い風。
紅覇様も。紅炎様も。他のみんなも。
全員を運べるくらい、大きくて力強い風。
祖国の子ども部屋で起こした風は、まるまる一部屋を破壊した。
誰かが、ハリケーンのようではないか……そう、恐々と言っていた。
そう。ハリケーンを起こせばいいんだ。
そう判断した。
(はりけーん。はりけーん)
わたしは何度も心で念じた。
周りのみんなが何か言っていたけど、それがなんなのか覚えてはいない。
そのくらい、集中していた。
そして、それは突然起こった。
グォォオオオォォォオオオオ！！！！
わたしの願いに、白いルフが応えてくれた。
体中の皮膚が内側からぴりぴり痺れる感覚がした。
それだけじゃなかった。
強い風が、わたしの体を持ち上げた。
覇「え、ちょ！！？ A！？」
紅覇様の驚いた声がした。
目は瞑っていたけど、みんなのルフが、わたしの起こした風のなかにある……そう、分かった。
誰も、置き去りにせず、わたしはみんなの体を風で持ち上げることに成功した。
そう本能が理解した。
(……あとは)
円盤の広間についてすぐ、ふちから覗いた地面の湖を思い浮かべた。
(むらさきの、みずうみ。……あそこに、いきたい！)
わたしは、杖に集まった白いルフに大声でお願いした。
「おねがい！ みんな、みずうみ……はこんで！！！」
叫ぶと同時に。
さらに全身が浮き上がる感覚がした。
すごく、体が軽かった。
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一花(プロフ) - おはようございます。沢山の閲覧、そしてお気に入りや評価、コメントありがとうございます。無事、本日（第2部は）全エピソード公開となりました。本当に有難うございます！ 恐らく本日中に3部への頁もつなげます。あとがきも書きますが、一足先に御礼申し上げます。 (2014年10月5日 6時) (
レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - あとは蛇足ですが、プロットつくるまで名前辞典から引いた仮名で通すことがあります。仮名は、同じ時期に作った作品ならば共通です。今回のは、仮名時のものです。……もの凄く残念な形で表にでてしまいました＿|￣|○ すみませんm(_ _)m (2014年7月30日 13時) (レス) id: ab2859cca3 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 鈴さん» メモ帳や、他のアプリなどに打ち込みしたものを、公開時に名前変換可能にしています。……つまりは、主人公名の変換ミスです。混乱を招いてしまい、すみませんでしたm(_ _)m ご指摘くださり、本当に有り難うございますm(_ _)m (2014年7月30日 13時) (レス) id: ab2859cca3 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 鈴さん» コメント、ご指摘有り難うございますm(_ _)m そして、変換ミス、失礼いたしました。私の夢書きスタイルですが、主人公は基本的背景をもっていて、それに沿った裏設定があります。……名前もその一部です。普段、直接占いつくーるに打ち込まない場合（続く） (2014年7月30日 13時) (レス) id: ab2859cca3 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - こんにちは。失礼なのですが、質問です。設定で出てきた“梨奈”とは、どなたの事なのでしょう？本当に失礼ですがよろしくお願いします。 (2014年7月30日 8時) (レス) id: 94adc04a2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一花 | 作成日時：2014年7月12日 21時
