第二十七話「審判者の問い―新たに示された道―」 ページ28
審判『我の問いに真意を述べた。真実を示したお前に敬意を払おう。我はお前が大切な者に道を示そう』
「道……？」
審判『我を生み出した、レラージュへ辿りつくためのヒントだ』
「！ ありがとう」
言い終わったら、映像が全て消えた。
最初の紫の光の空間に戻った。
その光がだんだん強く、眩しくなった。
思わずつぶった瞼の裏も、白く染まった。
審判『人の娘、思うがままに行動してみよ！』
最後に、審判(ジャッジメント)の声が、大きく頭に響いた。
そして……。
？？？「――A！ A！！」
大好きな人の声がした。
うっすらと目を開たら、鏡の前に皇子様。
わたしは頭から少しずつ、鏡の外に吐きだされた。
床にくずおれなかったのは、お日様が両腕を差し伸べてくれたから。
……わたしは鏡からでて、倒れ込む形で、大好きな温かな腕のなかにダイヴしていた。
*
覇「A！！ 大丈夫！？」
水晶の床に寝かせて、膝枕をしてくれたお日様。
「う……ん」
朦朧としながら答えた。
お日様の後ろに、心配そうにわたしを見つめる、純々、麗々、仁々。それから、鳴才に鳴進に鳴鳳の顔があった。
「あのね、わたし、かがみのなかで、じゃっじめんととはなしたの」
まだ少し頭は重いけど。
大好きな皆に、起こった出来事を伝えようとした。
覇「じゃっじめんと……？」
「うん……。こーはしゃまのこと、きかれた」
覇「僕の？」
「うん。うらまない……か、って」
覇「え……」
紅覇様が、なんでだか、少し狼狽していた。
それが珍しくて。なんだかおかしくて。
わたしはクスクス笑ってしまった。
「うん」
覇「……なんて答えたの？」
「いま、しあわせ……って」
覇「――幸せ？」
「うん」
紅覇様の膝の上で軽く頷いて見せた。
そんなわたしの前髪を、皇子様が静かにそっと撫でてくれた。
そっか、って……ため息みたいな、小さな声が聞こえた。
やっと、頭がすっきりしてきたのを感じた。
「そしたらね……」
わたしは皇子様の膝から体を起こした。
今は何の変哲もない、銀の鏡を見た。
それを指差した。
「じゃっじめんとが、みち、おしえてくれるって」
瞬間。
周「――若！！」
炎「これは……」
彰「トラン語か」
鏡の周りには、紅炎様と、その部下の方々が集まっていた。
その人たちが一斉に息をのんだ。
淡い紫の光が、鏡から発せられ、文字みたいなのが浮かび上がった。
審判(ジャッシメント)は、ちゃんと、約束を果たしてくれた。
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一花(プロフ) - おはようございます。沢山の閲覧、そしてお気に入りや評価、コメントありがとうございます。無事、本日（第2部は）全エピソード公開となりました。本当に有難うございます！ 恐らく本日中に3部への頁もつなげます。あとがきも書きますが、一足先に御礼申し上げます。 (2014年10月5日 6時) (
レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - あとは蛇足ですが、プロットつくるまで名前辞典から引いた仮名で通すことがあります。仮名は、同じ時期に作った作品ならば共通です。今回のは、仮名時のものです。……もの凄く残念な形で表にでてしまいました＿|￣|○ すみませんm(_ _)m (2014年7月30日 13時) (レス) id: ab2859cca3 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 鈴さん» メモ帳や、他のアプリなどに打ち込みしたものを、公開時に名前変換可能にしています。……つまりは、主人公名の変換ミスです。混乱を招いてしまい、すみませんでしたm(_ _)m ご指摘くださり、本当に有り難うございますm(_ _)m (2014年7月30日 13時) (レス) id: ab2859cca3 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 鈴さん» コメント、ご指摘有り難うございますm(_ _)m そして、変換ミス、失礼いたしました。私の夢書きスタイルですが、主人公は基本的背景をもっていて、それに沿った裏設定があります。……名前もその一部です。普段、直接占いつくーるに打ち込まない場合（続く） (2014年7月30日 13時) (レス) id: ab2859cca3 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - こんにちは。失礼なのですが、質問です。設定で出てきた“梨奈”とは、どなたの事なのでしょう？本当に失礼ですがよろしくお願いします。 (2014年7月30日 8時) (レス) id: 94adc04a2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一花 | 作成日時：2014年7月12日 21時
