LikeAbout29 キス★ ページ29
YOUside
携帯画面には、PM6:30の表示。
約束時間を過ぎている。
心配で電話を掛けてみたけど繋がらない。
私には待つしかなかった。
外はだんだん暗くなり始め、予想外の雨もポツポツ。
雨宿り出来るスペースがなくて、溜め息を漏らす。
『黄瀬君…』
髪から肩に滴る露が少し冷たい。
みすぼらしい姿じゃないかな?
何だか切なくなってきたよ…
『Aちゃん!』
『!?』
空耳かと思ったけど、目の前には息を切らした彼が現れる。
『遅れてすんません!気が済むまで文句聞くっス!』
良かった…
忘れられてた訳じゃなかったんだ。
此処まで来るのに何か理由があったんだと思うと、怒る言葉も出ない。
逆に安堵感から涙が溢れそう。
『怒らないよ…来てくれて良かった』
『…』
すると普段何事においても余裕に見える彼が、頬を染めて私を見つめる。
『オレ…Aちゃんが好きだ』
『えっ…?』
『付き合ってくれないスか?』
これは夢なのか?…現実なのか?
黄瀬君が私を好き…?
頭の中が真っ白になりそうだけど、自分も思いの丈を伝えなきゃ絶対に後悔する!
『良かったら、返事を聞きたいっス』
『…わ…たしも…好き』
『!?マジっスか?』
『…うん』
ちゃんと言えたよね…
【好き】という精一杯のフレーズ。
嬉しさや羞恥心で、次第に涙が零れた。
『もう1回、『好き』って言って?』
『…黄瀬君の事が好き』
『…オレもっス』
微笑むと、濡れた頬を指の腹で拭ってくれる。
目が合うと、お互いの顔がゆっくり接近して…
柔らかい唇の感触と幸せに包まれた。
『雨に打たれてキスすんの、ロマンチックっスね』
『!?』
ギュッ
何を言い出すかと思えば、不思議と身体が浮くような錯覚に陥る。
黄瀬君が、思いきり抱き締めてきたせい?
『ハハッ…テンション上がっちゃって』
『…』
『あの…オレ、Aちゃんの事遊びや冗談じゃないっスから』
『…ありがとう』
『此方こそ、ありがとうっスよ』
落ち着く温もりに彼の背中へ自然と腕を回し、身体を預けてしまう私。
暫く、このままでいたいな…
離したくない…
心の中でそう唱えて、静かに目を閉じた。
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なび(プロフ) - ?!可愛い顔でどうしました?(゚o゚; (2015年8月3日 20時) (レス) id: d92a5593cf (このIDを非表示/違反報告)
つばさん - ヾ(o´∀`o)ノ (2015年8月3日 5時) (レス) id: 07745c7cb6 (このIDを非表示/違反報告)
なび(プロフ) - リコさん» お久です♪ではでは、私は邪魔せずに話の下書きしようかなぁ??楽しんで下さいね(*´▽`*) (2015年3月28日 23時) (レス) id: d92a5593cf (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - お久しぶりです!コメント出来なくてすいませんでした。これからゆっくり読んでキュンキュンしてます!(///∇///) (2015年3月28日 23時) (レス) id: c67d3cf1ba (このIDを非表示/違反報告)
なび(プロフ) - チャルランさん» お久しぶりでーす(^o^)やはり、皆さん4月に向けて忙しいですよね?実は私も忙しくて…orzスローテンポですが、じっくり読んで下さい♪無理はしないでね(^_^)/~ (2015年3月27日 22時) (レス) id: 2e3b7e0c5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なび | 作成日時:2015年2月20日 19時