8. " 奇跡 " ページ8
片付け終わると、溜まっていた洗い物と洗濯をやって、部屋の掃除もした
一通り終わって、溜まっていたドラマを見ながらゆっくりしていると…
ピーンポーン
A ｢はーい｣
オートロックのモニターを確認すると
A ｢あれ？隣の人だ…｣
ﾋﾟｯ
A ｢はい｣
SE ｢あ、こんにちは。少しお話したいことが…｣
A ｢？｣
モニターを切って、ドアを開けた
ガチャ
SE ｢こ、こんにちは｣
A ｢こんにちは。お話って…？｣
SE ｢あ、昨日は助けていただきありがとうございました！！｣
A ｢え？｣
SE ｢どう対処すればいいか分からなくて、困っていたので、助かりました｣
A ｢ん？｣
SE ｢？｣
A ｢昨日？｣
SE ｢？…はい、昨日です｣
A ｢ごめんなさい、人違いかと｣
SE ｢え？そんなはずないです！確かに、キムさんでした！｣
A ｢…あ、すいません。酔っていたもので、記憶がなくて｣
SE ｢そうですか…。でも、助けていただいたのは事実です！本当にありがとうございました！あの冷たい眼差し、すごいカッコよかったです｣
A ｢つ、冷たい眼差し…。私が？｣
SE ｢はい！｣
A ｢そ、そうですか…｣
私は見ず知らずの他人を、冷たい眼差しで見ていたのか…
SE ｢あ、それで！お礼させて頂きたいんです！｣
A ｢いえ、お礼なんてそんな！｣
SE ｢お願いします！迷惑じゃないければ、お礼させてください｣
A ｢気使わないでください！それに、私も覚えてないので、お礼して頂く義理はありません｣
SE ｢でも…奇跡だと思うんです！｣
A ｢え？｣
SE ｢『 自分が困ってた時に助けて頂いた方が、偶然お隣さんだった 』なんて、すごい奇跡だと思いませんか？｣
A ｢まぁ、確かにそれは…" 奇跡 "ですね｣
SE ｢その場で助けていただいても、｢ありがとう｣が言えるくらいで、直接お礼できることって中々ないじゃないですか｣
SE ｢だから、せっかくもう一度会えたならその時はお礼がしたいなって｣
すごいな…
私よりも年下のはずなのに、考えることは誰よりも立派で、芯が通ってて
なんていうか…真っ直ぐなのが伝わってくる
A ｢分かりました！お礼、受け取らせてください｣
SE ｢本当ですか？｣
私が頷くと
SE ｢はい、もちろんです！｣
それから、私とセフンが仲良くなったのはそう遠くない話
9. つけられた " 差 "→←7. キャピキャピ女共を成敗だ！
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作者名：NATZU | 作成日時：2020年12月8日 4時
