第42話 圧倒的な強さ ページ43
都大会が始まり、
青学は圧倒的な強さで勝ち進んでいた。
今のところ全て6-0でストレート勝ち。
現在も鎌田中と対戦中だが、残すS1部長以外は全て6-0という好成績を叩き出している。
『で、私はまたベンチですか。竜崎先生座んなくていいのかよ…顧問だろうがよ…。』
竜崎「おまえの方が経験豊富だろう。」
『まぁそうですけど。』
部長が負けるはずはないが、頑張ってくださいと言いコートへ送り出す。
試合が始まり、部長が打ったサーブはものすごいスピードで角をピンポイントで捉え、ノータッチエースとなる。
そして次のサーブは逆を狙い、またもノータッチエースという圧倒的な強さを見せる。
コート外からは部長のサーブが分かったような声が聞こえる。
入来「おめーら単純だな。オレが見るにフラットサーブに少しスライス回転を与えているようだ。左手から外へ逃げていくボールをコーナーギリギリに決められたら取れんわな。だが俺なら……！？」
そんなことを長々と喋っている間にも部長は3連続ノータッチエースを決める。
結局、試合は青学のストレート勝ち。
文句なしの結果だ。
越前「まだ、あんなもんじゃない。」
不二「(へぇ…。)」
不二「(手塚が本気を出せる相手は少ない。)」
越前は本気の部長と戦ったことがある。だからこそ分かる。部長にとって今の試合は準備運動にもなっていないことに。
『お疲れ様です。』
手塚「あぁ。」
チラッとコート外の端を見ると何やら知らん学校のやつが2人。偵察か。
なんだかすごく越前を見てるようだった。
それと、離れたところに少し不二先輩と似ている男がいる。いや、風貌は全く違うんだけど。不二先輩って弟いるっけ？
『不二先輩、不二先輩。』ﾄﾝﾄﾝ
不二「なんだい？」
背が高い不二先輩の肩を叩いて振り返らせる。
『弟っています？』
不二「…いるよ。聖ルドルフ学院というところにね。」
その不二先輩の返答に理解して、あぁ、なるほど、と言う。
『聖ルドルフ学院、ね。』
不二「？」
私はなんだか違和感を感じていた。
次は秋山三中との試合だったのだが、まぁもちろん勝った。
それはいいのだけど、ダブルスの不二先輩と河村先輩ペアが勝った割には時間がかかったような気がする。
不二「なんかやりにくかったんだよね。」
河村「そうだよねー。」
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作者名：黒薔薇 | 作成日時：2021年1月14日 1時
