十六話 ページ18
そして四月……
今日は、入学式である。
でも、私は行けない。
治療が間に合わなかったのだ。
退院は4日後。
リコちゃん達は励ましてくれてたけど、私は…
「…行きたかったなぁ…」
みんな入学式の話をしてくれるらしい。
でも私は直接見たかった。
新しい部員を見るのが楽しみだったのだ。
そこで気づく。
……私、泣いてる…?
私は、生まれて初めて涙を流した。
「……悔しいよ…」
初めて流す涙が嬉し涙だったらな…
なんて、少し思った。
それから夕方になり、みんな来てくれた。
「…あれ?今日は土田くんも来てくれたの?」
「まぁ、安藤とはあんまり関わり無かったけど、部員の御見舞くらいは行こうと思って…」
土田くんは確かに私とはあまり話さなかった。仲良くなったのは十二月頃。
それから話すようになった。
たまーにお見舞いに来てくれる。
「ありがとう。」
「おう…」
それからしばらくみんなと話していると、一年生の話になった。
「え、一年生結構いるの?」
「そうなのよ。しかも今年はかなりやばいわ。…それと、女子の方も結構集まってるわよ。」
「そっか…、ごめんね。女子バスケ部の監督は私なのに…」
「いいのよ。男バスのマネと女子バスの監督は辛いでしょう?それに入院中だし。」
そう、新たに女子バスケ部が出来た。
それの監督は設立者である私。
でも、私は男バスのマネージャーでもあるから女子バスケ部にはあまり顔を出せない。
だから出来ることと言ったら朝にメニューを伝えてビデオカメラを設置。
そして帰りに寄って、今日の様子をキャプテンから聞いて、ビデオカメラを回収。家で見ることである。
…まあ、監視がいるから真面目にやってくれると思うけど。
「…あ、そうそう。はい、ビデオカメラ。」
「ありがとう。早速見ていい?」
「いいよ!テレビにつなげるね!」
それで、見ていたのだが…
「お、やっぱり来たんだ。」
そこには私の妹、愛がいた。
「この子強かったわ〜…」
「何かしたの?」
「取り敢えず服を別室で脱いでもらって、体の数値を見たの。一番凄かったのが愛ちゃん。半端じゃなかった。」
女子にもやったんだ…
「でも、ムカつく奴がいてね〜、ほらこの子!」
そこには、一人の女の子がいた。
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作者名:ゆうにゃん | 作成日時:2016年8月20日 11時