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じゃんけんに負けて買い出し係になった海人、松倉、元太、ハルが海の家から帰ってくる。
それ以外の私たちはというと、コンクリートの階段に直座り。
平日昼間といえ夏休み真っ只中。
海の家の飲食スペースは混みあっていて、とても大所帯が入れるようではなかった。
「めちゃ混んでた〜」「あぢ〜」「めちゃビキニギャル〜」
焼きそば、ポテト、からあげ、イカ焼きを適当に渡して(置いて)、
座り込む私たちの前に、にやにやと整列する買い出し勢。
後ろ手で何をこそこそしているのかと思ったら、
「せーの」の合図で海人と松倉と元太が、それらを体の前に出した。
プシっと音を鳴らして、銀色の缶に口をつける。
お風呂上がりの牛乳みたいに、おおげさに気持ちよさそうに飲む。
「アー!」「キまったー!」と皆さん。
同時に「あ゛ー!!」とフユが声をあげて、宮近が無言でキレる。
宮近「どんな仕打ち?」
フユ「さすがにかわいそうと思う。さすがに宮近がかわいそうと思う(松倉に一口ちょうだいのジェスチャー)」
「私もちょうだーい」
宮近「おい」
中村「違うちがうちがうちがう!笑 ほんとは海斗のぶんもあんの!みんなの分!ほら!」
元太「帰りはハルが運転するって。やさしーから」
ハル「レンタカーのところで解散ね」
松倉「俺有利〜」
ハル「全員、息のあるまま辿りつけたらね…」
人数分のスーパードライor氷結を持ってた&松倉がノンアルのオチだった。
全員に行き渡ったところでプルタブを上げる。気を取り直して。
立ち上がる。缶を掲げる。
中村「はいせーの、みやちか、おかえりー!」
一度目の乾杯は、
海人の「はいせーの」にみんなが思うがままに声を出したからグダっとした。
松倉「もっかいもっかい!せーの」
「「みやちか、おかえりー!!」」
二度目は、近くの人が何人か振り返っちゃうくらい成功した。
「うるさいから。まじで。調整して声量を。大人なんだから。」と宮近が照れ笑う。
お構いなしに食べ物にありつく。
最高の、人生最後の夏休みが始まった気がする。
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ひま(プロフ) - なるさん» 初めてのコメント!😭ありがとうございます。必ずや、書き切ります。 (7月2日 21時) (レス) id: da5a411ea8 (このIDを非表示/違反報告)
なる(プロフ) - わぁ!ナツメキの季節だ、と胸の高鳴りが聞こえてきます。再開嬉しいです。応援してます! (7月2日 16時) (レス) @page45 id: 171bdb3dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひま | 作成日時:2021年8月12日 17時