ナツメキ

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就活が始まって、
始めこそ互いの頑張りを励みに、
応援し合って、未来を語って、一緒に勉強したりもして、
たまのデートを息抜きにやってこれたけど、
　

内定が出始めた友達がちらほら、
そして私が志望してた業種に決まって、
でも海人はなかなか上手くいかなくて、

そしたら連絡も、たまのデートも、
普段の何倍もめんどくさくなった。

　

定期的な連絡もデートも、
高校2年に付き合ってから、冷戦時を除いて、欠かしたことがない。

なので焦ってる海人を気遣って、誘いを断ったり、誘わなかったりするのは違うし、
なにより、海人が私に気遣われることを嫌がった。


そのくせ、「その日のごきげん」は私にぶつける。
(本当にだるい)

　

天気のいい日を狙って計画した夏デートも、
切羽詰まっていたのか、海人が朝からまるで上の空なので、
悲しいし、疲れてしまったところ、

「やる気ないなら帰ろ？」
「やる気ない人といてもおもしろくない」

となぜか先に私が怒られて、
限界になって涙の流れるバトルになった。

というのがこないだ、7月末のこと。


　
　

宮近「タイミング悪かった？」

テンションが小学生になってしまった男たちがキラキラの水面に向かって走り出して、
すっかり運転手の宮近がひとり、車にキーをかけて私に話しかけてきた。


「なにが？笑」

宮近「俺。」
宮近「喧嘩中？」

　
向こうで、こちらに向かって大きく手を振る小学生らを指さす。

　
「またべらべらと…」

宮近「いや、海人から聞いたって、元太が言ってたって、松倉が」

「みんな、べらべらと…笑」

　

「だいじょぶ、もう普通になってるし。
でもなんか、こんな時期だし宮近が来てくれて助かった」

宮近「ならいいんだけど」

　

じゃ行く？というように合図されて、宮近と歩き出す。
ああ暑い。くらくらする。

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