49.背顔 ページ10
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『あ、』
翌日の朝、ボールを持ってグラウンドに向かう途中、御幸と倉持が前にいた。
手もとが少し重たいけどそこは元捕手。
いつものように勢いよく突っ込んだ。
『おはよっ!』
「「うぉっ!?」」
予想通りびっくりした2人。倉持が「お前なぁー」なんて言って「ベーランで足いてえっつの」って私の頭をはたく。
『いった。乱暴な男はモテないぞ』
「るせーよ。お前限定だよ」
『嬉しくなーい、そんな限定。ときめかない〜』
「…………………」
『ごめんなさい』
無言で頭を掴んでくる倉持がこわくてすぐに謝る。
『ごめんって…………、…御幸?』
いつもなら倉持と一緒にからかってくる御幸が静か。
不思議に思って顔を覗くと避けられた。
え、なんで?
んー、と考えてすぐに答えが出た。
『分かった!昨日の私が重かったから機嫌悪いんでしょ?』
得意げにいうも御幸に「ちげーよ」と顔を背けられたまま言われる。
えー。すごい嫌われてるんだけど私。
『くらもち〜、御幸くんが反抗期なんだけ……』
「今の重かったって何」
びくっと御幸が反応する。
『昨日、寝ちゃった私を御幸が運んでくれてね』
「おい、A」
『なんか言ってくれたよね、御幸。何だったかな……』
「へぇ〜?」
すごく優しいことを言ってくれた気がする。
疲れすぎて意識が朦朧としてたから記憶が曖昧だ。
だめだ。思い出せない。
「そこまで。練習遅れんぞ」
『いたっ』
私の頭をチョップして先を歩く御幸。
なんでこう、みんな私の扱いが雑なのかね…。
「御幸になんかされたか?」
『いや…特には』
前を歩く御幸をじっと見つめながら答える。
倉持がすごい心配そうな顔をしてるから笑った。扱い雑なのか丁寧なのかどっちなんだ。
『…変なの、御幸』
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夏乃実(プロフ) - 雪星さん» 雪星さん…!まさかコメントして下さるなんて。ありがとうございますm(*_ _)m 青春の匂い。まさに私が目指してるものです。醸し出されていたなら良かったです← 雪星さんの新作も陰ながら読ませてもらいました!頑張ります^^* (2017年2月5日 22時) (レス) id: 926ac8ac50 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 初コメ失礼します…(^^;コッソリ読ませてもらってます(笑)原作沿い+オリジナル要素ありということで、青春の匂いがする素敵な作品だと思います!原作沿いならではの苦労もあると思いますが、夏乃実さんのペースで更新頑張ってください(^-^) (2017年2月5日 21時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
こん - 夏乃実さん» そんなことないです!!はい、頑張って下さい(*'▽'*)応援しています! (2016年9月16日 20時) (レス) id: 5a35b7a5ac (このIDを非表示/違反報告)
夏乃実(プロフ) - こんさん» こんさん!!コメントありがとうございます(涙)全然ドキドキワクワクする作品ではないですが楽しみにしててください(笑)頑張りますね! (2016年9月16日 20時) (レス) id: 753635ea11 (このIDを非表示/違反報告)
こん - コメント失礼します。そしてコメントして頂いてありがとうございました(T_T)夏乃実さんから頂いて本当に恐縮です。夏乃実さんの作品の更新も楽しみにしています。また見に来ます(*'▽'*) (2016年9月16日 2時) (レス) id: 5a35b7a5ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏乃実 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rumitann1/
作成日時:2016年3月13日 12時