【◇】俺らのマネージャー[２]

46.悪友 ページ7

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＿＿寮の食堂にて


｢Aおにぎり作るのうまくなったね〜｣

｢ほんと、去年の合宿の時なんかは………｣

『はい、おふたりさんお口チャックしましょうね〜』









｢｢おにぎりがバレーボールみたいになってたから｣｣

ホント成長した…、なんて感慨深く言う2人。




『……唯と幸子は私にシバかれたいのかな？』




……この2人は私をイジることを生きがいにしてそうで怖い。

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『夜食できましたー！』


おにぎりとバナナをこれでもかというほど積んだトレーを運ぶ。


嬉しそうにお腹を鳴らしながら近づいてくる野球球児たちを見るとやってよかったな、って思うからマネージャーの仕事は好きだ。




｢うぉぉぉ〜！メシだぁー！！｣

｢先輩より先に食うんじゃねーっ！｣



きっつい練習の間のつかの間の休憩時間にみんな気が緩んでる。




『くーらもち！はいこれどーぞっ！』
ニヤニヤしながら倉持におにぎりを渡す。
…去年よりはましになったおにぎりを。



｢A…またなんか企んでねーだろーな｣

『え、またって何』



ニヤニヤが止まらない顔でわざと聞いてみる。


｢てめぇ……｣

『ふ……』






まぁ倉持がそう思うのも仕方ない。

去年の合宿の時、何も知らなかった私は純さんに操られるまま"あの"でっかいおにぎりを倉持に食わせたんだから。

その後の倉持は…可哀想だから思い出さない。

あのあとまだ走り込むなんて知らなかったんだからしょうがないよね？なんて正当化する。




『今回は普通のおにぎりです。残念ながら』

適当なサイズに握られたおにぎりを２個倉持の手に乗せる。



んで俺だけがあんな目を…なんて隣でまた嘆き出す倉持。


その男は私の手を取って囁いた。







｢俺だけじゃ癪だからよ…。犠牲者、だそーぜ｣

『…………………』





それこそ極悪人と言えるような顔をした倉持にやっぱりこいつは元ヤンだ、って思ったことは内緒だ。





そのあときっついランメニューを吐き気に襲われながらこなした沢村にはごめん、としかいえない。




まぁ、謝る気もないけど。






屍のようになった１年生3人組を見ながらそう思った。



まだまだ合宿は続くよ、頑張ってね。



『おつかれさん』

3人の頭の上からタオルをかけてあげた。







＿＿＿合宿１日目の練習、終わり

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