【◇】俺らのマネージャー[２]

76.青天の霹靂 ページ49

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ーー「"本当のエースになるために"
それが自分の正直な意見です」



丹波さんがはっきりと、監督に対して意見を示した。
エースになるために、と言った。






純「ふん……珍しく大口叩きやがって
これで打ち込まれたら責任とってもらうからな
その頭頂点まで剃りあげてスキンにしてやる！！」

亮「あっそれいい！のった！」

哲「のった」




おお……



倉持「ひゃはは。逆にロン毛になってもらってもいいっスけど」




この空気、この一体感。
共に歩んできた3年生には痛いほど分かるんだ。




クリス「1点取られたらスキンヘッド。２点取られたら眉毛を剃るということで決定だな」

丹波「お…おい。クリスまで！」



今までずっと怒られてきた。
上手くいかない時もたくさん見てきた。その人たちだからこそ。






丹波さんを中心に揶揄う風景はこのチームの良さが滲み出ていた。


これぞ、エース。
１つのプレーで、その人の存在だけで、チームの雰囲気がガラリと変わる。

夏直前……ギリギリ間に合いそうかな。









「次のバッター早く打席へ！」





次は丹波さんの打席だ



「丹波〜〜〜打てよ〜〜〜〜！」
「けど無理はすんな。ピッチングに影響でない程度にな」


ふふ。先輩達…絶対打てると思ってないでしょ。



ベンチから乗り出す勢いで応援する先輩方
その横で後輩達も応援する

いいな、いいな。
こんな上級生を持てて私は幸せです。
本当に誇れる先輩達です。



バッターボックスへと向かう丹波さんを見ながら、そう思う。







ーーこの人たちと一緒に、甲子園へ！！



相手ピッチャーが振りかぶる
丹波さんは完全に打つ気満々だ





『ファイト！丹波さん！！』




放たれたボールはキャッチャーのもとへ＿＿＿








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『…え』





ガツン、と。
とっても嫌な音が響いた。




そのままホームベース上に倒れていく、うちのエース。



足一歩動かなくて、頭も全然回らない。





真っ先に動いたのは隣にいた監督。




なんで…そんな……







ただ、ガツンって音だけが、


頭の中でずっと響いてた。






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