【◇】俺らのマネージャー[２]

66.片鱗 ページ34

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｢ラスト1球！｣


沢村が投げてる間スコアを整理していると｢サウスポーか｣なんて声が聞こえてくる。

ついでに｢さっきのやつよりはスピードないで｣との声も。



『………』



まぁ、そうなんだけどさ？
沢村にはスピードとはまた違ったキレというものがあるんですよ大阪桐生の皆さん。



パァン！


『ナイスピー沢村！』




ー地面に叩きつけるぐらい思いっきり投げろよ


御幸がさっき言ってたこと
ちゃんと実践できてる。





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その後沢村のボーク(恥ずかしい)とボテボテのゴロでランナー1・3塁。


猫目になってる沢村に先輩方が声をかける。


｢落ち着け沢村！｣



わたわたしている沢村を見ながらクリス先輩と一緒に親のような気持ちになる。

沢村、室内練習場で教えたこと忘れわけじゃないでしょう？



まず＿＿『…1塁ランナーと向き合ってるサウスポーは』


まず視線。目で相手を制する。

そして牽制すると見せかけて＿＿



『クイック！ランナー動けない！』



素早く腕を振る。



カキーン！！！



沢村が投げた球はピッチャー直撃。
前だったら状況判断できなくて上手くアウトを取れなかったんだけど


ー『ランナーが3塁にいる時はまずはサードランナーを見ること

その上でサードランナーが動けないと判断したら他にボールを捌けばいい』




｢さわむら！ボールセカン！ゲッツー取れるぞ｣



御幸の声を聞いてすぐに倉持に送球。
1塁もアウトにして併殺打となった。




『沢村ナイスっ！』




なんかすごい嬉しい。
たった１つのプレイだけど、それでも教えた甲斐あったな、って。

何度も練習してきて身につけたものじゃなきゃ身体は自然に動かない。

沢村のファインプレーだ。




｢ヒャハハハ、お前クイック覚えたのかよ。なかなかサマになってたぞ｣

｢ナイスだこのヤロー！｣





カキーン！！


たかーく上がった当たりも白州のスライディングキャッチでスリーアウト。

目立たないけどいい動きばっかするんだよな。
私は結構好き(笑)


｢よっしゃあ！｣








試合は6回裏へーー







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