【◇】俺らのマネージャー[２]

43.チーム ページ4

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＿＿｢1番ボールに長く触れているお前ら投手はチームの中で誰よりも野球に詳しくなければならない｣


先輩はこの2人を1人前の投手に育てるつもりだ。


まったく野球を知らない沢村(確認済み)と、降谷君(こっちもそうみたい)は慌てふためく。




｢はっはっはっ。心配すんな｣

｢そのために俺達がいる。チームプレーは1人じゃ練習できねーからな｣



くっそイケメン、むかつく御幸。




｢沢村…。お前には言っておいたよな｣

｢ガムシャラにやるだけが練習じゃない。体を休めることも覚えろと……｣


＿＿＿｢お前、俺のようになりたいのか｣


｢『！！！』｣


クリス先輩の目は真剣で、少し怖いくらい。
でもその中にはちゃんと優しさが入ってる。



｢お前がすべてを1人で背負い込む必要なんてないんだ…｣


｢だから今日は軽めの練習にしとけ、いいな？｣



クリス先輩の優しさに、いろいろな悔しさに、沢村の目から涙が溢れてくる。



ほんと真っ正直っていうか……。
眩しいよね、沢村は。





｢ヒャハハハハ！また泣いてやがんのか、沢村ぁ〜〜〜〜！｣


倉持と増子先輩も来た。



すぐさま沢村を蹴る倉持たちの周りに人の輪ができて……。

沢村の周りには自然と人が集まってしまう。
そういう性格なんだ、沢村は。








ふと輪に入っていない降谷君が目に入る。


降谷君の性格は、はっきり言って沢村と真逆だ。だからこんな時でもはしゃいでいるのを見たことがない。





『どーしたの？降谷君？』


そんな降谷君にもいいところは沢山あるはずなんだ。悪いところがあるみたいに。



｢入りづれーんだろ、あの中に｣



『御幸も人のこと言えないよね…笑』

｢うるせーよ｣


『降谷君、沢村は明るくて社交的な性格だけど、降谷君にもいいところはあるんだよ？』



俯いていた顔がこちらを見る。




｢お前はそれでいいんじゃねーの？｣

｢力でチームを引っ張る、そういう投手でよ｣




さすがキャッチャーだ。言葉掛けが上手い。





｢ぶっちゃけいろんな投手がいたほうが俺もリードしがいがあるしなー！！｣


『…だからその最後の一言が余計なんだって』


｢御幸先輩って性格悪いですよね…｣

『そうなんだよ、降谷君。知っといて』








その後はキャッチャー陣と内野陣でピッチャー2人の特訓をした。


この2人の成長がそのままこの夏の力に繋がっていく。そう思ったら指導に力が入った。

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