【◇】俺らのマネージャー[２]

53.投下 ページ14

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『あー涼し』

｢お前そんな格好で外いっと風邪引くぞ｣

『お風呂上がったばっかだし暑いぐらいだよ』

｢湯冷めって言葉知ってるか｣






夏直前、夜は少し肌寒くなる季節。
火照った体にはちょうどいい。





『純さん怒ってるかな』

｢…いや、多分お前には怒ってねぇーよ｣







純さんと何かあったのか唇を尖らせながら言うものだから『純さんとケンカでもした？』なんて聞いたら｢んな度胸ねぇよ｣ってデコピンされた。



そうか、倉持でも先輩には歯向かえないか。
さすが体育会系の縦社会。私も充分染み付いてるけど。ていうか倉持痛い。







お酒なんて飲んだことないけど夜風のおかげで酔いが冷めていくように頭がしっかりしてきた。






と同時に思いついたのは性悪メガネのこと。







『御幸何だったんだろうねー』

｢今朝のか？｣



うん、って言いながら隣を見たらまたしかめっ面してる倉持。なんなの一体。




｢…明日にはいつも通りだろーよ｣

『そうだといいけど』





今までこんなことなかったから正直参ってる。まさか天才捕手様がこんなことで私とギクシャクするなんて。何があったかは覚えてないんだけど。




そんなことを考えてたら倉持からじーっと視線を感じた。




『……なに』

｢お前さぁ、…御幸と何かあったか覚えてねぇの｣

『それ今思い出してる途中』






気が合うな、なんて思いながらも必死に頭を働かせる。



寝落ちする前の記憶もないなんて私の頭はどうかしてる。





『確か食堂で寝落ちしてたら御幸が起こしてくれて』


そういえばすごく怖かったような……。
私が怖いって言ったら高いところ。
そう、高い………









『あ、お姫様抱っこされたんだった』

｢はぁ！？｣

『…なに。うるさいし』




急に大声出した倉持に思わず冷たい声が出る。





そのあとだよな、問題は。





『その後何か言われたんだけどな。…あー、思い出せない。御幸が珍しくいいこと言った気がするのに』






しばらく思い出したけどそこまでしか出なくて、私がどれだけ疲れてたかがありありと分かった。



残念……。









『倉持…？』




さっきから静かだななんて思ってた倉持の方を向くと何か考えてるような顔でこっちを向いてて。





彼は爆弾を落とした。









｢御幸…お前のこと好きかもよ？｣





『…………………は？』



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