40.夏の始まり ページ1
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黒士館との試合を終えた私たちを待っていたのは、手放しで喜べるような現実ではなかった。
いよいよ、夏が始まる＿＿。
室内練習場に集まった100人近くの青道野球部員。
室内は緊張感に包まれていた。
これから1軍への昇格者が発表されるからだ。
｢1軍への昇格メンバーは…………｣
あぁ、いよいよ始まるのか。
3年生にとっては最後の夏が。
｢1年小湊春市、同じく1年沢村栄純…。以上だ｣
1軍へ昇れなかった3年生の先輩方は、
ここで終わり。
それが分かっていたとしても
………やっぱりこの瞬間はきつい。
去年はもっときつかったんだけど。
それでも先輩達の前で泣くことは許されない。
1番泣きたいのは先輩達だろうから。
｢この2人を加えた1軍20名で夏を闘う……。明日からの練習に備え今日はこれで解散だ。
選ばれなかった3年だけここに残れ！｣
ぞろぞろと室内練習場から出ていく部員の中
沢村だけがその場から動かない。
何か声を掛けたかった。
でも、それをするのは私の役目じゃない……。
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屋根から雨の音が聞こえてくる。
｢これまでの2年間……お前らは本当によく頑張った｣
雨の日も雪の日も……。
何があったって先輩達はバットを振り続けた。
｢熾烈なレギュラー争いに厳しい練習……。
辛く苦しい想いなどいくらでもしたことだろう……｣
冬合宿では限界をとっくのとうに超えてもなお、走り続けた先輩達。
｢だがお前らは決してくじけず最後までこの俺についてきてくれた……｣
その姿に、どれほどの後輩が力づけられただろう……。
監督は頭を下げて言った。
"これからもずっと…俺の誇りであってくれ"
どうにもならない現実だと分かっていても、やっぱり最後まで戦いたかった。
私は涙を堪える事だけで精一杯だった＿＿
監督の最後の言葉に目の前で泣き崩れる先輩達。
その中でもクリス先輩だけは上を向いていた。
何1つ後悔してない、そんな顔で。
｢クリス…お前にはこの先選手としての道が必ずある。だからまずその肩を完全に治すことだけ
考えろ｣
｢その上で御幸と宮内のサポート…
そして投手陣をまとめて見てもらいたい｣
選手としてはベンチに入れなかったけど。
｢いいんですか……自分で……｣
クリス先輩にはベンチにいてもらいたい。
｢自分の指導は監督より厳しいかもしれませんよ｣とそう言ったクリス先輩の表情は晴れ晴れとしていた。
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夏乃実(プロフ) - 雪星さん» 雪星さん…！まさかコメントして下さるなんて。ありがとうございますm(*_ _)m 青春の匂い。まさに私が目指してるものです。醸し出されていたなら良かったです← 雪星さんの新作も陰ながら読ませてもらいました！頑張ります^^* (2017年2月5日 22時) (
レス) id: 926ac8ac50 (このIDを非表示/違反報告)
雪星(プロフ) - 初コメ失礼します…(^^;コッソリ読ませてもらってます(笑)原作沿い＋オリジナル要素ありということで、青春の匂いがする素敵な作品だと思います！原作沿いならではの苦労もあると思いますが、夏乃実さんのペースで更新頑張ってください(^-^) (2017年2月5日 21時) (レス) id: 51d66f5e63 (このIDを非表示/違反報告)
こん - 夏乃実さん» そんなことないです！！はい、頑張って下さい(*'▽'*)応援しています！ (2016年9月16日 20時) (レス) id: 5a35b7a5ac (このIDを非表示/違反報告)
夏乃実(プロフ) - こんさん» こんさん!!コメントありがとうございます(涙)全然ドキドキワクワクする作品ではないですが楽しみにしててください(笑)頑張りますね！ (2016年9月16日 20時) (レス) id: 753635ea11 (このIDを非表示/違反報告)
こん - コメント失礼します。そしてコメントして頂いてありがとうございました(T_T)夏乃実さんから頂いて本当に恐縮です。夏乃実さんの作品の更新も楽しみにしています。また見に来ます(*'▽'*) (2016年9月16日 2時) (レス) id: 5a35b7a5ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏乃実 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rumitann1/
作成日時：2016年3月13日 12時
