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次の日


相変わらず銀座はキッドの観客で人が集中していたが、昨日と違うのは事前に網を張り、網の中に一般人は入れない点


「(なりふり構わずだな...)」


『快斗、屋上も封鎖されてるよ』


無線機から雪乃の焦ったような声が聞こえるが、それも見越していたかのように快斗の余裕な笑みは崩れない


「大丈夫。そのまま待機していてくれ』








同時刻園子と蘭は待ち時間に昨日のテレビを録画したのを携帯で見ていた



「そういえば、雪乃ねえちゃんは?」



怪盗キッドが現れる場所に皆勤賞と言ってもいいぐらいいつもいる雪乃の姿がないことに気付き、コナンは蘭に問いかけるが、返ってきたのは風邪を引いて寝込んでるという答え



「(妙だな...。あの年がら年中馬鹿みたいに元気な女が風邪。しかもキッドが現れる日に...)」



考えすぎだろうかと思えば思うほど違和感が募っていく
かつて自分の後ろをついてきていたヤツが別のナニかになっていってるのをひしひしと感じる



観客がいないのならば、マジックショーを中止するというキッドの声に中に入れろと催促の声が大きくなっていく



「みんなで入っちまおうぜ!」



1人の男の声を皮切りに警官の静止の声も聞かずどんどん網の中に入っていく観客たち。結局は屋上で待機していたTV局も入れることになり昨日と全く同じ状況になった



帽子の中にお団子にした髪を隠し、TV局のスタッフに変装した雪乃は隙を見てその場を離れ滑車を屋上の柵につけ、ワイヤーの片方を自分の体につなぐ




一方一斉に入り込んだ客たちに流されて蘭たちと離れてしまったコナンは己の頭にトランプ銃を当てているキッドと話していた。内容はサーストンの三原則について



同じマジックを繰り返してしまうと、客はその現象を楽しむよりタネを見破ることに神経を注いでしまい、タネが見破られる危険性もあるとキッドは語る



「逆に言えばそのタブーを犯してもなお見破られなければ最高の奇術になるってか?」



「そゆコト♡」



キッドは満足そうに頷くとコナンを見つけた蘭の声が聞こえ素早くその場を離れる

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作者名:ぽむ | 作成日時:2023年5月5日 1時

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