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無事に片眼鏡を回収し終わると、黒いタートルネックに帽子を深く被った快斗が声をかけてくる
「よ、おつかれ。どう?名探偵度肝抜かしてたんじゃねぇか?」
ケッケッケ〜と上機嫌に笑うこいつはとても先程の紳士なキッドと同一人物とは思えない
「あのね〜...もしあのボールが当たってたらどうするつもりだったのよ」
「そんときはそんときだ!それに俺が落ちても優秀な補助チャンが動いてくれるって信じてるんでね」
まぁた調子のいいことを...
腹立ったから一発入れとこうかと片手をあげたら予想してたかのように手首を掴まれ目の前に薔薇の花を差し出される
「悪かったって!それより、どうだ?感覚は掴めたか?」
こんな薔薇の花一つで機嫌直したと思われるのも癪だったが問いには素直に答える
「勿論、任せてよ。明日のショーも必ず成功させてみせる。
天下の怪盗キッド様の補助なので」
今回展示されていた
決行は明日の夜
「ま、名探偵が少々怖いところだが安心しろよ...オメェの事は俺が守ってやるからよ」
スッと跪き私の手を取ると流れるような仕草で手の甲にキスをする快斗
街灯がそんな私たちを照らしてまるでそこの空間だけ御伽噺の世界に入ったかのような錯覚に陥る
「...当然でしょ、ばか」
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作者名:ぽむ | 作成日時:2023年5月5日 1時