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恐らく自分につけたであろう盗聴器で会話を聞いているキッドを油断させる為わざと間違えた推理を園子たちに披露しているとショーが始まったようだ
蘭と園子がキッドに夢中になってる間にコナンは麻酔銃で警備員を眠らしビルの屋上まで行く。子供の姿にはさすがのキッドも変装出来ないから警戒はされないだろうが念の為だ
昨夜同様キッドはミュールを手に取ると姿を消した
これはただ白から黒へ早変わりしただけ
人は誰しも白い物が目の前から消えれば無意識に白い物はどこだと目で追ってしまう。これはそんな人間の特性を利用したものなのだ
素早くビルの真下まで来ると無線機で雪乃に連絡する
「よーし!こっちはOK!始めてくれ!」
『了解』
重りを持って雪乃が飛び降りるとそれにあわせてキッドの体が上昇していく。元々下から上に動いてるこの文字ニュースに合わせて上昇すれば群衆の目は欺ける
上昇しながらキッドは群衆の視線をビルから逸らすためにカードを放っていく
「Three,Two,One」
カウントダウンをしながらもここまで思い通りにいっていいのかと思わず笑いが溢れると上からZeroというコナンの声が聞こえた
弾かれたように上を見上げると片膝をついたコナンが此方を見下ろしていた
「残念だが、今夜のマジックショーはタダ働き...。報酬は0だぜ月下の奇術師さんよ!」
瞬間移動のトリックは極めて単純で井戸とかに使われている滑車の原理だと話す
「まぁ観念するんだな..このままお前が上に上がればお前は助かるかもしれねぇが下に降ろされた仲間は警察に捕まっちまう。その逆だとお前がアウトだぜ?」
ふむといった感じで下を見ると中森警部が此方へ向かって叫んでる様子が目に入った
「わりーが、必ず守るって約束したんでね。真ん中で」
トランプ銃で垂れ幕のワイヤーを切ると
「手を伸ばせ!」
と言って雪乃の元まで来ると手首を掴みそのままお姫様抱っこに抱え直すとハンググライダーで網を越えていく
その衝撃で雪乃が被っていた帽子がとれて髪もほどけてしまった。念のためマスクもしていた為顔バレはしなかったが怪盗キッドの仲間が女だとはバレてしまっただろう
「(あの後ろ姿...)」
コナンの疑惑が一層深くなった夜であった
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作者名:ぽむ | 作成日時:2023年5月5日 1時