危機一髪 ページ11
「……え゛…?」
少女の首に黒いナニカが巻き付く。
そのナニか、は 髪 だった。
「あ゛…え゛…なに、これ、やだ…ゆ、由花子しゃ…っ!」
体験したことのない恐怖。
言葉を発する間を与えずぎりぎりと締め付けられてゆく。
少女はひっくり返ったカメの様に四肢をばたつかせ、
必死の形相で藻掻き暴れる。
「な、にを…勘違いしているのか…分かりませんけど、!
わ゛、たし!康一とはそんなんじゃあ…っ…ないです…!」
「うるさい!!
私には分かるのよ!この雌豚がッ!
色目使ってるんじゃあないわよ!」
感情に身を任せ叫び散らかす由花子の姿はまるで
自分の思う通りに行かず泣きわめく幼稚園児の様だった。
「あ゛っ…!」
少女の顔から血の気が引いてゆく。
頭が回らずあ、あ、と短く繰り返すのみで
抵抗する力もなくなってきた。
その時だった。
突然由花子の動きが止まり、何かを見上げていた。
何、これは。と小さく呟きながら。
次第に首元が緩み始め、少女はげほげほと辛そうな咳をしながら
背後から何者かの気配を感じた。
しかし、おかしい。少女の背は頑丈なコンクリ壁である。
「 アナタは 、 ココで 、 シにたイノ ? 」
背後のソレは少女に語り掛けた。
「 ワタシを 、 使えバ 、 生き残ル 。
アナタは 、 生きタい ? 」
ソレが少女に近づき少女の頬に触れた時、
触れられた感触があった。
幻覚はないのだ。と少女は実感する。
「あ、貴方は一体何なの?」
「 ワタシの 、 言う事二 従って 下サイ 。 」
「はあ、?」
「どうして…どうしてお前も同じ能力を持っているのよ゛!!!」
人型のソレとの会話に必死で
少女の耳には由花子の声は届いて居なかった。
「 ヤマぎシ ゆカこ と 戦ッて 。 」
「た、戦う!?どうやって!」
「 ワタシを 、 使って 。 」
「んえぇ…?」
少女はぽかんと口を開き
人型のソレとの会話を続け、色々なことを聞いた。
ソレには名が無く、
少女に名を付けて欲しいと言うことや
ソレはスタンド、というものだということ。
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作者名:茄子 | 作成日時:2022年1月11日 22時