【マギ】理を越えて (ページ9)

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第七夜ページ9

バラバラバラとなにか落ちる音がした。

後ろを見ると、綺麗な赤毛の少女が倒れているところだった。

「ゴメン！怪我してない？」

駆け寄るが少女はムッ、として立ち上がりポポイッと落ちていた果物をかごにいれ、立ち去ろうとした。
ふとアラジンが少女の足を指差す。

「ねぇ、あれって......？」

「あぁ、奴隷だ......」

少女は鎖を指差され恥ずかしそうに、俯いた。

何を思ったのかアラジンがタタタッと少女に近寄る。そして、笛を手に持ち困惑している少女の鎖に向かって、フッ！と笛を吹いた。

パキィッ！！

鎖が、切れた

奴隷にとってそれは自由を意味するのではない。

そして、私たちにとっては......

ザワザワと周囲が一気にざわめく。

「あいつら鎖、切ったよな？」
「あれ、領主様の奴隷だぞ」

重罪である。

本来、人の所有物である奴隷の鎖を勝手に解くことは窃盗にあたる。

「おいっ！その鎖を切るのはマズイって......」

アリババが焦って辺りを見わたす。

「？マズイって......なんで？」

アリババは問いに応えられない

「なんで？」

もう一度アラジンが尋ねた

「コラそこ～！何を騒いでおる～！」

お腹をタプンッタプンッと揺らしながら、ブーデルが歩いてきた。

これは、やばい。

「「あっ！！！」」

お互いに指を差す。

「あっ、キミは昨日の大きなお胸のおじさん！！」

「ザケンな、クソガキャッッ！！！」

あながち間違ってない。