第二夜 ページ4
そんなこんなで、馬車は中継地点の川に辿り着き、他の馬車と合流した。
馬車の中で休憩していると、
「ったく...こんなガキのせいで俺の人生設計崩されてたまるかよ...」
その年で愚痴か、若き運転手君
運転手君は熱く迷宮のことや、自分の夢を語りおながら馬車を運転する。母子が話に混ざり、ホンワカとしたなんとも言えぬ優しい空気に包まれた。
フフッと自然に笑みがこぼれるのがわかった。
「おねいさん、どうしたんだい?」
いきなり、笑って不思議におもったのか男の子が訪ねてきた。
「嬉しいときには笑うんだよ」と意味深な返答をすると、彼はいまいち分かってないのか、コテンと首を傾げた。可愛い。
「ハッ、貧乏人が貧相な夢を見ておるなぁ...」
いきなり和やかな空気の中、ブドウ酒造の大豪農のブーデルは運転手君の夢を鼻で笑い、馬鹿にした。殴りたい衝動に駆られたが、一歩踏みとどまる。
運転手君はそれに対しヘラヘラと笑っていて、反論もしない。しかし、よくみると彼の拳が震えていた。
刹那、馬車が横転した。
何事かと急いで確認をすると、巨大な穴の中にはこれまた巨大な砂漠ヒヤシンスがいた。
人々が逃げ出す中で小さな女の子がブーデルに突き飛ばされ、砂漠ヒヤシンスに向かって落ちそうになる。
運転手君が手を伸ばすが、酒樽を取るブーデルの手に邪魔されてしまった。女の子はそのままヒヤシンス向かって......
ポチャンッ、
静かに落ち、あっけなくヒヤシンスの中に入っていった。
そんなことはどうでもいいように、ブーデルは酒樽を運転手君に運ぶように急かした。
「お前は働きがいいから、特別に金を多くやるぞ。2倍がいいか?3倍か?ん!?」
......うるさいな
「あーー泣くな女よ。
あの子供の代金ならワシがいくらでも払ってやるから...」
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推しは最強☆! - オモロイ (2020年8月20日 16時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
ガラスペン - おもしろいです! 更新頑張ってください!! (2014年12月9日 1時) (レス) id: 2f7b2271fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生ミント x他2人 | 作成日時:2014年6月16日 11時