第二十八夜 ページ29
「にしても、ここはなんなんだろうねー」
ぽつり、と思ったことを口に出す。
「フッフッフ......俺にはわかったぞ!」
「どうしたの情緒不安定な人とは思ってたけどいきなり『フッフッフ』とか気味悪く笑い出すとは思わなかった」
思ったより早口で言えたけど、それほど引いたってことだろう。
アリババの奇妙な行動に疑問を覚える。
「違うわ!!ここがどこだかわかったんだよ。
ほら、さっきあっただろ。石板に刻まれたトラン語をよ。それには
『竜の牙の中に真実は存在する。すべては竜の尾に辿り着く前に』とあった。
つまりここが竜の牙の中なんだよ!
......って、聞けや!」
アリババの話はなんとなくめんどくさいのでスルーし、横穴を進んでいく。
その先にあった光へ躊躇なく飛び込んだ。
「これは......?」
そこには背丈を祐に越える扉があった。
そしてその上にはアラジンの笛と同じマークがある。
「うわ!何だこれ!?」
遅れてやってきたアリババが驚きの声を上げる。
「多分、これが真実への扉ってやつなんじゃないかな」
アリババの予想からして、そうなのだろう。
「うっし!じゃあ、開けてみるか!」
ズンズンと腕まくりをしながら、扉の前へ進むアリババ。
渾身の力で押しているみたいだが、ピクリとも扉は開かず。
「んー、それよりもアラジンを呼んできたほうが早いんじゃない?上のマークだって彼の笛とおんなじみたいだし」
◯
こうしてアラジンを探しにきたわけだが、
私は決して可愛い赤毛の女の子が、壁を登ってくるところなんて見てない、多分。
見間違いだよ、多分。
そしてまた、扉の前に戻る。
アラジンの「ひらけ〜ゴマッ!!」という掛け声(?)で開けられた扉の先は、未知の古代都市が眠っていた。
アリババの「あの塔にいってみようぜ!」の一言でこうやって歩いているワケだが、私たちの足音が響くだけで何も聞こえない。
三人で会話を続けようとするも、終わってしまい不安な気持ちに駆られる。
そうこうしている内に、先ほどのような扉に着き、アラジンが開ける
が、
「.....なんだこりゃ?」
「宝物庫っていうより、物置ってカンジだね」
埃が舞い、石のガラクタが散乱し宝物庫には程遠かった。
三人でいろいろ探してみたものの、目当ての物は見つからず、そこを後にしようとしたときだった。
ヌッ、と影が目にかかる。
影の正体は、体の前が焼けただれ血だらけになるゴルタスだった。
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推しは最強☆! - オモロイ (2020年8月20日 16時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
ガラスペン - おもしろいです! 更新頑張ってください!! (2014年12月9日 1時) (レス) id: 2f7b2271fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生ミント x他2人 | 作成日時:2014年6月16日 11時