【マギ】理を越えて (ページ28)

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第二十七夜ページ28

さらに奥へと進む。

「領主様、これは......？」

「ははっ！この時のための罠役だろう、君ィ！」

天井には無数の剣。床には白骨体。

バレバレすぎる罠があった。

「(もしこの罠が、床への圧力で作動してるとしたら......)」

足元にあった小石をポイッ、と適当に投げる。

すると、予想通り剣が落下しその場にあった小石は粉々になった。

「よし、アリババ。今の見てたでしょ？どんどん石投げるよ」

それから、数分後

剣はすっかり床に全部落とされ、天井はスッカラカンになっていた。

「さあ、これで通れますよ。ちょっと剣が邪魔ですケド」

剣を取り除きながら、私たちは進んで行った。

罠を安全に通り抜けられた安心感で、気が緩んでいたのかもしれない。

そう思った時には、もう遅かった。

地面が抜け、底にはまたあの剣があった。

「(え？私、ここで死ぬの......？)」

走馬灯なのか、楽しかったあの頃を思い出しそうになる。

「まだ、私は.......死ねない！！」

指の先まで力が行き渡り、気づいたときには腕からおびただしい血を流して、地面に着地していた。

腕に刺さった槍のようなものは二の腕をかなり抉っている。

「うわぁ、これは時間かかりそー......包帯巻かないと......んん？」

巾着をゴソゴソ探っていると、あることに気づく。

「(アイツもたしか、落っこちていたような......)」

私の横を歩いていたから、間違いない。

「おぉーい、アリババァ～、生きてる～？それとも、死んでる～？

あっ、死んでたら返事できな」

「生きてるわ！！」

アリババが怒ったように叫んだ。

いや、実際怒ってる。

「普通の人なら、ほぼ即死だとおもうけどね」

「ああ、ラッキーだな俺たち」

「それは違うね。運命だよ、きっと」

そうだな、とアリババは曖昧に返事をした。