第二十二夜 ページ23
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「A様、言い訳なら今だけ聞いてあげます」
え、えぇ〜、と心の中で呟くが頭では必死に二人を納得させられるような言い訳を考えていた。
「「嘘吐いたら、承知しませんよ」」
.........詰んだな。これは、詰んじゃったよ。
ここは正直にいうしかない
私は、なぜ城の外に出ようと思ったか。そこで何を思ったか、嘘偽りなく二人に話した。
ついでにアルハンさんのことも。
○○○
「......と、いうことなんだけど
______ダメ、かな?」
問いかけてみたけど、返事はナシ。
沈黙が痛いよ.........そして、眠い。
「A様」
ハッと、顔を上げる。眠りそうになってた。
「正直に言いますと、あなた様の考えには賛成し兼ねます。王族である方が外に出て、万が一のことがあったらどうするんです?
国王様は国中探させようとおっしゃっていましたし、王妃様は体調を崩して寝込んでおられます」
答えられない。自分がどれだけ無責任なのかを思い知った。
「普段は真面目なあなた様がこんなことをするなんて.......少し失望しました」
ザクリと、私の心に突き刺さる侍女の言葉。
「____でも、あなたは常に人々に真剣な眼差しで目を向ける。それがだれであろうと。
“私たちのことも”」
二人は私の存在を確かめるように手を握った。
「忌み子、呪いの双子と言われていた私たちに手を差し伸べ、光を与えてくださったのは紛れもない、A様です」
ぎゅうっと、力が入り言葉にも熱が入る。
「あの日から一生あなたに、ついて行くと、二人で誓い合いました......ですから、あなたに何かあったら気が、気では、なくなッ...るんです、よぉ......ッ」
とうとう服にすがりついて泣き出してしまった。
.........こんなに愛されていた。
父上、母上、そして私を慕ってくれる侍女たち。
やっぱり私は、何にも知らなかったんだ。
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推しは最強☆! - オモロイ (2020年8月20日 16時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
ガラスペン - おもしろいです! 更新頑張ってください!! (2014年12月9日 1時) (レス) id: 2f7b2271fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生ミント x他2人 | 作成日時:2014年6月16日 11時