第二十夜 ページ22
「アルハさん!これは!?」
「占い屋だ」
「アルハさん!あれは!?」
「噴水だ」
「アルハさん!ここは「とりあえず落ち着けって」すみませんっ!!」
私は念願の城下町に来ている。
王宮の中には無いものばかりで、新しい世界に来たみたいだ!
アルハさんが優しくて本当に良かった。
自分を連れていくことを条件に城下町に行く。あと容姿を隠す。
城下町に行けるし、ガイドも付くし私にとっては一石二鳥だった。
「ふう、疲れましたね......」
「主にお前がな。ったく、ワアワア騒ぎやがって、注目されるこっちの身にもなってみろ」
「だって王宮から出るの初めてなんですもん......仕方ないです」
「ずっと中にいたのか」
「はい。いつも勉学と鍛練ばかりで......。いえ、それが嫌いというわけではありません。
ただ......狭いな、と」
「狭い?」
頷き、私は言葉を続ける。
「世界史の本を読んでそしたら、世界にはたくさんの偉業を成し遂げた人がいて、いろんな種族の人がいる。
それに比べたら、城の中なんてちっぽけにすぎないことに気づきました。
私の知らないところで人々が今日を暮らしている。だからまず手始めにこの国を見てみようと思ったわけです」
「......あの騒がしい行動の中にはそんな理由があったのか」
ほー、と納得するアルハさん。
「騒がしいって......やっぱり失礼な人ですねー」
はいはい、と頭をポンポンなでられた。
なんだか子供扱いされているようで、恥ずかしかった。私は何回恥ずかしいめにあえばいいのだろうか。
「ところでお前、ちゃんと許可とってきたんだろうな......?」
......あ。これはとってなかったらめっちゃ怒られるヤバイどうしよう
「ソ、ソンナー。とってるに決まってるじゃないデスカー」
こんな時に嘘がつけないなんて!私のバカ!!
訊いた本人はふーん、と返事をし、くるりと踵を返す。
大丈夫か?と、ほっ、としたのも束の間だった。
「え、え?なんで城に向かって歩いてるんですか!?」
「どーせ、許可とってないんだろ。俺が不審者扱いされる前に家に帰す」
グイグイと引っ張られるが、私は必死の抵抗を試みる。
「オラ、さっさと帰れ
____"またな"」
「!!...それでは"またあした"」
初めて言われた言葉
なんだか胸の辺りが温かくて、くすぐったい
城に向かう私の足取りは軽かった。
__________________
「(って、また明日!?)」
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推しは最強☆! - オモロイ (2020年8月20日 16時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
ガラスペン - おもしろいです! 更新頑張ってください!! (2014年12月9日 1時) (レス) id: 2f7b2271fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生ミント x他2人 | 作成日時:2014年6月16日 11時