第十七夜 ページ19
月が輝き、星が瞬く夜に私は生まれた。
「王妃様!産まれましたよ、元気な女の子です!!」
「......そう、よかったわ......」
私には兄が二人と、姉がいる。その三人とはとても歳が離れていたため、久しぶりの子供ということでとても大喜びされた。
父上なんかは、一日中機嫌は良かったそうだ。
「ねえ、名前は何にしようかしら?」
「......Aというのはどうだろうか」
「アラ、考えるのがお早いこと」
「うむ、少し考えておったのだ」
○○○
5歳になった頃、私に待っていたのは勉学だった。
別に嫌いではなかった。新しいことを見たり、聞いたりするのは心が打ち震えた。
それにわからなかったら、兄様達が教えてくれる。その時間がとても好きだった。
第一王子のトーリ兄様(当時20歳)とはよく手合わせをしてもらった。
「兄様!ぶじゅつ、を教えてください!!」
「Aは女の子だからそんなことは覚えなくていいんだぞ?」
「いえ!つよくなって、母上や兄様達をまもるので心配ありません!」
「そうか、そこまで言ったらビシバシ鍛えてやるからな!」
面倒見がよくて、いつも自信に溢れていたトーリ兄様。
その後、二人して侍女にこっぴどく怒られたのは言うまでもない。
第二王子のルイリ兄様(当時17歳)には色々なことを教えてもらった。
「兄様...ここが分からないので、教えてください」
「ここは少し難しくありませんか?」
「兄様の教え方は分かりやすいので、だいじょうぶです!」
「なら、始めましょうか。途中で寝てしまわないように」
頭がよくて物知りだったルイリ兄様。
結局寝てしまったけど、ルイリ兄様は黙って毛布をかけてくれた。
第一王女セルンの場合(当時13歳)
「姉様!一緒にお茶しませんか?」
「そうね、やりましょうかお茶会
......Aったら私の好きな茶葉用意してくれたの?」
「はい!姉様とのお茶会が楽しみで張り切っちゃいました」
「フフ、ありがとうA......でも口の横に何か付いているわよ?まだ作法は完璧とは言えないわね」
一番仲が良くて、とっても優しくて、気配り上手なのにたまに抜けてしまうセルン姉様。
二人で何気ないことを話すのは、特に意味のない時間だったが、私にとって至福の時間だった。
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推しは最強☆! - オモロイ (2020年8月20日 16時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
ガラスペン - おもしろいです! 更新頑張ってください!! (2014年12月9日 1時) (レス) id: 2f7b2271fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生ミント x他2人 | 作成日時:2014年6月16日 11時