第十六夜 ページ18
「これだけ」
「え、これだけ!?」
「うん、これだけ」
「他にないのか!?なんでここに居るのかとか、さっきのは何だったのかとか......」
待ってました、と言うように私は口角を上げた。
「やっと自分から訊いてくれたね。アリババずっと黙ってたから、何話せばいいか分からなくってさ〜」
「ス、スマン」
「いいよ、私も心の準備みたいのしてたから。
じゃあ、なんでここに居るのかは置いといて、さっきのから話そうか」
体制を整え、コホンと咳払いする。
「あれは簡単に言うと、『錬金術』って言って、私たちアルカマル王国の王族だけが使える秘術。だから王族は代々黒髪金瞳。錬金術が使える証としてね」
「術者の血がついたものなら、大体のものに変換できる。でも条件がある。無生物なら何も問題はないんだけど、生物、つまり命があるものは絶対無理」
「えっじゃあ、金とか水なんかにもできんのか?」
アリババが質問する。
「水はできると思うけど、金はどうかな......金って貴重だからその分難しいと思うんだよね」
「ちなみに、傷が早く治ったのは体質。術者は血を使わないといけないから、それに合わせて人間の方から進化していったみたい」
一通りの説明を終え、一息つく。
「これでどう?他に質問は?」
訊ねるとアリババは恐る恐るといったふうに、質問した。
「なんで一国の王女がこんなとこ、いや......チーシャンなんかにいるんだ?」
「あーそれは...少し長くなるけどいいかな?」
構わないと言ったアリババは、私に先を促した。
「...そう、なら昔話を始めようか
____私が最も幸せだった頃のね」
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推しは最強☆! - オモロイ (2020年8月20日 16時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
ガラスペン - おもしろいです! 更新頑張ってください!! (2014年12月9日 1時) (レス) id: 2f7b2271fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生ミント x他2人 | 作成日時:2014年6月16日 11時