第十五夜 ページ17
「お前っ、手は大丈夫なのかよ!?」
「うん大丈夫、ほら」
手をアリババの方へ差し出す。
アリババは信じられないという顔をしていた。
あんなに勢いよく血が出たのにもう塞がっているなんて普通あり得ない、"普通"なら。
「A、お前って......」
「私についてはあとで話す。それよりアラジンは?」
ハッとしてアリババが振り返る。
急いで近寄ると顔色が悪く、いつもの元気がなかった。
「Aさん...すごいね......僕、ビックリしたよ......」
「アラジンこそ凄かったよ。大丈夫?」
「大丈夫さ!沢山食べて、沢山寝れば!」
「じゃあ、沢山食べればということでハイ」
腰の巾着からドサッと食べ物を出す。
アラジンはそんな小さいところから、どうやって...?という顔をしていたが、気にせず食べ始めた。
・
「まだ食べる?」
「ありがとう。でも、もういいや......それじゃあ僕、ちょっと寝るね......」
「アラジン、こっちにおいで」
眠そうなアラジンに迷惑だと思いつつも、ちょいちょいと手招きをする。
「どうしたんだい......?」
「ここで寝ていいよ」
太ももをポンポン叩く。
アラジンは意味がわかったようで、素直に頭を乗せ寝てしまった。
「おやすみ、アラジン」
そう言って頭を優しく撫でた。
「それじゃあ、話そうかアリババ」
「......あぁ。それより、あの中に移動しよう。また、あいつらがくるかもしれない」
いつの間にか見つけた横穴を指差して言った。
......まったく、準備がいいなあ。
少しばかり呆れつつも、アラジンを抱えて横穴に入った。
○○○
「どこから話そうか......」
横穴に入りしばらく黙っていたが 、沈黙に耐えられなくなり言葉を発した。
もっと質問攻めされると思ったのに......意外だな。
「そうだねー、私の出身国と私について話そうか」
息をひとつ大きく吸い、覚悟を決めた。
「アルカマル王国、第二王女。A・フェール・アルカマル
____はじめまして、アリババ」
11人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
推しは最強☆! - オモロイ (2020年8月20日 16時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
ガラスペン - おもしろいです! 更新頑張ってください!! (2014年12月9日 1時) (レス) id: 2f7b2271fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:野生ミント x他2人 | 作成日時:2014年6月16日 11時