第十四夜 ページ16
「や、やったか......?」
アリババは恐る恐る訊ねる
ゴソ...ゴソゴソ......と何かかが這う音が向こうからする。
「まさか......!まだいるのか!!」
アリババの顔はみるみる内に、絶望へと変わっていった。
「どうするA!?アラジンも動けねーし、あいつには物理攻撃が効かねえ!」
「んー、アラジンが奥の手を使ったのなら、私も使うしかないね......」
「はあ!?なんだよそれ!!」
「まあ、少し見てって」
そう言うと手を口元にもってきて、思いっきりガリッと歯を突き立てた。
血が流れ出てくる。それもかまわずもう一方の手にも歯を突き立てた。
「お、おいお前、なにやって......」
アリババの質問には応えず扇子を持つ。
鉄扇に鈍く光る赤い血がつたい、ポタポタと地面に模様をつくった。
そのまま風を起こし、血の一滴一滴をスライムの周囲に飛ばす。
ピチャ、ピチャチャチャッ
風の軌道に乗って、うまく周りに落ちた。
「さあ、ここからが本番......」
微笑み、詠唱を始める。
『我、この血の元に誓う。理を越えて我が願いに応えよ』
......パキ...パキパキパキ.........
血の付いた部分が盛り上がり、やがてそれはスライムを閉じ込める岩の山となった。
「どう?これが奥の手」
そう言って、私は哀しく笑ってみせた。
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推しは最強☆! - オモロイ (2020年8月20日 16時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
ガラスペン - おもしろいです! 更新頑張ってください!! (2014年12月9日 1時) (レス) id: 2f7b2271fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:野生ミント x他2人 | 作成日時:2014年6月16日 11時