【マギ】理を越えて (ページ14)

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第十二夜ページ14

「あったよ！」

アリババは無言でツカツカツカ、とアラジンが見つけた穴に近寄り穴の横をばんっと叩いた。

「これが、正解の道だ！！」

『えぇっ！！』と驚きの声を上げるとアリババは自慢げに私たちに解説し始めた。

○○○

つまり、大きさも筆跡もバラバラで、印は先に来た人たちが書いたもの。ではなぜ印を付けたか。

例えば、最初に来た人たちは無数の穴を見て、迷った。どれが正解の道なのかと。

しらみつぶしに行くしかなく、次々と穴へ入って行った。しかし、行き止まりの道に行ったら当然引き返す。

その時に一度入った穴に入らないように、印を付けた。

「ここの攻略者は通説で約一万人。そんな大勢が行き止まりの道に一つ一つ印を付けていったら、どうなる？」

「ハズレの道はぜーんぶ印だらけになっちゃうね！」

「でもたった一つ、この穴だけ印がない」

つまりこの穴こそが、正解の道！！

私たち三人は正解の道を見つけたことで、喜びながら穴の奥に駆けていった。

三人は知らなかった。

この先に待ち受ける死の罠を.........

・

「いやー、さっきはすごかったね、アリババ！

......迷宮へ入った途端、興奮して私を置いてった人とは思えないよ！！」

「なんか、スマン」

別に全然気にしてなんていないし。

「そ、それにしてもここ洞窟なのに明るいよな？なんでだろ？」

あっ、話逸らした。

「アリババくん、この苔だよ！壁に生えている黄色い苔がピカピカ光っているんだよ！」

「お～！ほんとだ～」

「二人とも～、あのお部屋はもっと光っているよ！？」

アラジンについて行き、部屋に入ってみると
そこにはスベスベとした、虹色に輝く丸い球体がぶら下げられていた。

これを見つけた二人はまた感嘆の声を上げ、興奮していた。アリババはこれを宝石だと言い、名前までつけている。

私は一つ疑問に思った。

最終的に宝物庫があるとしても、こんな未知の宝石などと価値のあるものを、こんな早い地点に置いておくだろうか？

一人で悶々と考えていると、

「ギャアァァーッ！！！」

アリババが絶叫する声が聴こえた。

何かと思い、周りを見渡すとアリを数倍大きくした化け物が球体から次々と出てきていた。

「つかまって！！アリババくん、Aさんっ！！」

プピーーッ！！

その音と共にウーゴ君が出てくる。
私たちはウーゴ君に乗って、アリの化け物から逃げた。