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ライト12 ページ12

「やっぱり夜は寒いね〜……」





真っ暗な夜道に街灯の光が照らされる。





雪はほとんど溶けてしまった。





綺麗だったんだけどな……。少し残念。





桜は儚いと言うけれど、雪はもっと儚いものだと思う。





空からの贈り物は手のひらに乗せると溶けてしまう。





溶けた雪は水になって太陽に照らされ、完全に姿を消す。





それから1週間ぐらいしたら雪の美しさの感動も薄れていくような気がする。





そして、完全に忘れてしまう頃にまた贈られる。





素敵だ。





自らの手で作り出すことのできない景色には惹かれる。





「影山くん」





「はい……?」





「星……綺麗だよ」





星も、空からのプレゼント。





真っ暗な夜空に光を与える、美しくて儚いもの。





きらきら輝く冬の大三角形に思わずため息をこぼす。





「恋……みたい」





恋をしていると不安やもやもや、悲しみだって感じてしまう。





でも、そんな暗い中でも相手を想う事をやめられない。





相手が……影山くんが楽しそうにしている時、私も楽しい気持ちになれるから。





暗くて暗くて何も見えない中でもその楽しさが凄く幸せに感じて、辛くても苦くても怖くても、進む。





同じ景色の中でその幸せを感じられる日が来るのをひたすら願いながら、歩くんだ。





「あっ……猫……」





影山くんが手を伸ばすと、瞬時に逃げてしまう猫。





「動物に嫌われてる気がします……」





「まぁ、あれは野良猫だし仕方ないよ」





「頑張ります」





「何を……?」





「えーと……とにかく、動物に好かれるように、ですかね」





努力の仕方はどうするんだろう。





はっきりした根拠が無いのが、また影山くんっぽいな。





こんなくだらない会話でさえ、私にとって特別になって心の奥にしまわれていく。





2度と回ってこない風景。





雪よりも、桜よりも、星よりも儚くて。





私の中で1番美しくて悲しい思い出になってしまうんだろうな。

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設定タグ:ハイキュー‼ , 影山飛雄 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ショウキチ | 作成日時:2018年10月27日 22時

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