『悪魔の六つ子』と『双魔の死神』

第参拾肆松目 ページ43

教室が一瞬で凍ったのが分かった


普段、幻夢には怒らない僕が


幻夢に怒ってる


『幻夢、言っていい事と悪い事くらい分かるよね？』


幻「！………うん」


『さっき言った事は、言っていい事？悪い事？』


幻「…………悪い、事」


『だよね？……僕は、トト子ちゃん追いかけるよ。ちゃんと帰って来たら、謝るんだよ？』


幻夢の頭を撫でながら、そう言う


幻「………うん」


『いい子だね。じゃあ、行ってくるよ』


そう言って、幻夢の手を離して駆け出した


幻夢(…少し、ほんの少しだけでも良いから、弱井より松野君達より俺を見て欲しいだけなんだよ、逢夢ねー…)



―――体育館:裏


『…いた』


そこには、階段の下に体育座りで声を押し殺しながら泣いているトト子ちゃんの姿があった


僕は乱れた呼吸を整えて、トト子ちゃんに近づいた


『…トト子ちゃん』


そう声をかけると、ビクッと体を震わせた

トト子ちゃんの隣に腰掛けて、


『さっきの事なんだけど、あれは全部嘘だよ。』


なるべく優しく、話しかける


『僕達ね、昨日喧嘩して来たばかりでね。あまり噂にならない様にしたんだけど、手遅れでね、その事を話してる子達がいて、注意しようと一人で突っ走っちゃって、発作が起きて、僕がもう離れていかないようにって、幻夢がしてくれた事なんだ』


"付き合ってるとか嘘だからね？"と付け足した


トト「……本当？」


トト子ちゃんは、ゆっくりと顔を上げ、弱々しくそう言う


『うん、本当だよ。だから泣かないで？トト子ちゃんには笑顔が似合ってるよ』(ﾆｺｯ


"悲しい涙よりも、キラキラに輝く笑顔のトト子ちゃんが一番好きだよ"

と本当に思ったことを言う

すると、


トト「え、、、///////」(ﾎﾞｯ


『？？？』


今度は、顔を赤くして蹲る


トト「(私、今、逢夢に好きって言わ、れた、？)」←


『ト、トト子ちゃん？どうしたの？』


トントンと肩を軽く叩く


すると、ﾊﾞｯと勢いよく頭を上げた


トト「もう一回、言って…！」


と、言ってきた


『え…？えっと、涙よりも笑顔のトト子ちゃんが好きだよ…？』


そう言うと、トト子ちゃんはまたしても顔を赤くして蹲る


トト「(好きって、好きって言われたぁ♡♡)」←←


また、トントンと肩を軽く叩く


『トト子ちゃん？そろそろ、教室戻ろ？皆、心配してるだろうし』


何とかトト子ちゃんを立たせて、教室に向かう


その道中、僕はトト子ちゃんと手を繋いで教室へ向かうのだった←

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