<H×H> 君がいれば - I miss you - 1

story 045. ページ47

｢A･･･｣

なに？と返事をする前に誰かに腕を引っ張られ、携帯が手から離れた。

｢･･･やだ！触らないで｣

｢静かにして、俺だから｣

私の腕を引っ張るのは紛れもなくシャルだった。

｢こっちきて｣

え･･･、ナニいきなり。

電話にも出なかったくせに、なんで命令されなきゃいけないわけ？

そう思うと無性に腹が立ってきた。

｢･･･離してって！｣

腕を払いのけると、シャルは鋭い眼光で私を睨む。

｢仕事しないでヒソカと楽しく遊んでさ、何でそんな偉そうなの？笑えるんだけど｣

怒りを露わにしたシャルは私の腕を掴み捻りあげた。

｢･･･ほんと、むかつく｣

シャルがぼそっと呟いた後、シャルは私の首に顔を埋め鎖骨に噛みついた。

｢･･･っ！｣

｢その憎たらしい口閉じてあげる｣

シャルはそう言い放つと深く唇を重ねる。

｢･･･ふっ、ん、やだ･･･」

いくら力があっても、男のシャルには適うはずもなかった。



｢おい！いたか？｣

｢いや、こっちにはいない。あっち行くぞ｣

その声に反応したシャルは私から唇を離し、腕を引っ張りながら路地裏に入った。

｢シャルっ｣

｢しっ、あいつらに聞こえる｣

足音が遠のくと、シャルはポケットから緋色のきれいな石を取り出し、私に投げる。

｢綺麗･･･だね｣

｢･･･｣

｢ごめんね、仕事押し付けちゃって｣

｢･･･別に。悪いけど一人で帰って、用事出来たから｣

シャルはスクッと立ち上がり、闇の中に消えていった。



シャルに噛まれた鎖骨がズキズキと痛んだ。

この時つけられた跡が後々の面倒ごとに繋がるとはその時思ってもいなかった。

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