<H×H> 君がいれば - I miss you - 1

story 036. ページ38

｢くさいね｣

その一言にみんなフェイタンに顔を向ける。

彼はゴホゴホっと咳き込みながらも上体を起こす。

｢シズク、早く喚起するね。フィンのせいで毒が部屋中包まれてるよ｣

みんな突然のことに戸惑いながらもフェイタンに声をかけた。

“大丈夫か？”
“だっせーな”
“お腹空いてる？”

フェイタンは怪訝そうな顔をしながらも一個一個適当に答えてた。

｢フェイタン･･･｣

｢･･･｣

私が話しかけると、周りは静かになる。

｢Aと二人で話したい｣

フェイタンがそう言うと、みんな渋々部屋からでて行き、フィンクスは最後にチラッと振り返り出て行った。

お互い何も話さず、窓の外の風の音が鳴り響く。





｢勝手に一人で帰て悪かたね｣

｢ううん、その怪我っ｢階段から足滑らせただけね｣

｢でも｣ という私に

気にすることない、フェイタンはそう言って

傍に置いてあったグラスの中の水をゆっくり飲み干した。

｢A悪いが水持て来てくれないか？｣

｢うん、･･･いいよ｣

フェイタンからグラスを受けとり、部屋から出るとフィンクスが壁に寄りかかっていた。

｢あっ、｣

さっきのことは穏便に済ませれたが、少し気まずい。

｢フェイタン、今暇してると思うから、話し相手になってあげて｣

下を向きながら、そういい終えてキッチンに向かう。

やばい、何かすごい緊張した。

フィンクス相手に緊張するとか末期かな。

そんなこと考えてたら、後ろから腕を掴まれた。

その弾みで持っていたグラスが地面に落ち、割れた。

｢あ･･･、悪りぃ｣

後ろを向くとバツが悪そうに手を頭に当てたフィンクスが立っていた。

｢なに、どうしたの？｣

｢いや、、今日は天気がいいな｣

･･･はっ？どうした、こいつ。

冷めた目を送りながらも手を離し、割れたグラスを片付ける。

見事に原型を留めないで、綺麗に割れていた。

欠片を摘まむと、また腕を掴まれた。

｢今度は何･･･｣

｢馬鹿。危ねえだろ、お前は触んな｣

フィンクスは欠片を一つずつ丁寧に拾い上げ、そこら変にあった窓から下に落とした。

太陽の光に当たり、グラスの欠片はキラキラしていて綺麗だった。

さっきより強く掴まれた腕を握しめると、何故かドキドキした。

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