<H×H> 君がいれば - I miss you - 1

story 035. ページ37

｢ただいま、えっなに｣

アジトに入るとすごい顔したマチが大慌てで飛び出していった。

訳がわからないまま、突っ立っていると

フィンクスが小走りでやってきて

｢A早く来い！｣

と叫んだ。

言われるがまま走ってフィンクスを追いかけると、フェイタンの部屋の中に入っていった。

｢一体何･･･が？｣

部屋に入ると身体の所々に包帯を巻いたフェイタンがベットに横たわっていた。

｢･･･何があったの？｣

｢わかんない。血まみれのまま玄関で倒れてたの｣

シズクが冷静に呟いた。

｢おい、昨日何があった？何でフェイだけがこんなことになってるんだ｣

フィンクスが私の肩を強く掴み、問い詰める。

その肩にかかる痛みから確信した。疑われている、と。

｢仕事が終わった後は行動が別々だったから分からない｣

昨日あったことを大まかに伝え、肩に乗った手を振りほどいた。

まあ、普通に考えて旅団の中でも上位に入るぐらいの力を持つフェイタンがそう容易にやられるわけがない。

ましてや、それに劣る私が無傷ときたら疑うのは仕方があるまい。

仕方が無いことだとは分かっているが、正直疑われて傷ついてる。

｢まあまあ、落ち着けよフィンクス。Aがやるわけないだろ？｣

｢わかってる。わかってるけど･･･っ！

･･･すまねぇ、A痛かったよな｣

｢ううん、大丈夫｣

シャルの仲介により、フィンクスは我に返ったのか煙草を吸い出した。

そんな重くるっしい空気の中、フィンクスの煙草の匂いが室内を満たしていった。

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