<H×H> 君がいれば - I miss you - 1

story 032. ページ34

｢みんな、集まって｣

前みたいに、シャルの言葉にみんながゾロゾロと集まる。

｢今日は、ウボォーとノブナガ、フィンクス、シズクは

最近噂されてる盗賊団のアジトと関わってる組織についての情報を手に入れること。

上手く行ったら始末して。

死体の処理はシズク、頼んだよ。

パクノダとマチは･･･｣

手を腰に当てながらテキパキとみんなに指示を出す姿はやっぱりいつもと変わらないシャルだった。

さっきの姿が嘘のような気がしてならない。

どっちが、本当のシャル･･･？

シャルを見上げているとポンポンと肩を叩かれる。

｢私たちも行くよ｣

振り返り視線を下げるとフェイタンがちょこんと立っていた。

フェイタンって背低いよなー･･･

口が裂けても本人には言えない。

短気だから。

｢なにグズグズしてるか。早く行くよ｣

｢ごめんごめん、今いく｣

言われるがままにフェイタンについて行った。

｢今回の仕事はなんだって？｣

｢官僚襲うね｣

｢なんで官僚を？｣

｢そいつが持てる株券、団長が気に入たらしいよ｣

｢そうなんだ｣

そんな会話をしながら、玄関に向かう途中クロロの顔がふと頭をよぎった。

それはフェイタンが“団長”という単語を使ったからなのか。

それとも、私の頭の片隅にクロロの存在があったからか。

｢フェイタン、ごめん。ちょっと待ってて｣

返事も聞かず、私は駆け出した。


.


.


.


トントン

｢誰だ｣

ドアをノックした後、クロロの声が聞こえた。

｢私だけど･･･｣

ガチャとドアが開くと、クロロがその場で立っていた。

｢どうした？今から仕事だろ？｣

｢あ、うん。そうだけど、なんかクロロに会いたくなって｣

それだけ言うと、クロロの口角が上がり、

｢最近甘えたちゃんだな。よしよし｣

笑いながら、私の頭を優しく撫でる。

正直、嫌な気はしない。

むしろ、嬉しくて顔がにやける。

｢クロロは仕事あるの？｣

｢･･･、まあな｣

｢そっか、お互い頑張ろうね｣

｢ああ、Aも無理するなよ｣

｢うん、じゃ！帰ってきたら、また飲もうね｣

そう言って、手を振りながらクロロの部屋を出ると、

フェイタンの元に走って戻った。

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