<H×H> 君がいれば - I miss you - 1

story 030. ページ32

｢A。おい、A！｣

目を開くと、額に汗を浮かべたクロロが私を抱えていた。

｢大丈夫か？何があったんだ？｣

｢えっ･･･、｣

私の、夢･･･？

辺りを見渡すと、シャルが視界に入り、ドクンと大きく脈打った。

ずっと見つめていると、シャルは自分の人差し指を口の前までもっていく。

ぞわぞわと寒気が走り、自然に身体が震えだす。

やっぱり･･･夢じゃなかった。

｢どうした？顔色が悪い｣

額にクロロの手が触れ、思わずはたく。

しかし、すぐ我に返りクロロの方を向くと、クロロは眉を下げ寂しそうな目をしていた。

｢ごめん･･･でも、何にもないから･･･｣

立ち上がり、ドアの方まで歩いていくと足がもつれその場で倒れこむ。

｢A！だいじょ･･･｣

｢クロロは昨日寝てないんだから、寝てなよ。

俺がAを部屋まで連れてくし｣

その言葉を聞いて、私は頭が真っ白になった。

私また、暴力振られるの、？

｢ほらA、立てる？｣

そう言って私の腕をつかむシャル。

｢･･･やっ、触んないで！｣

｢また痛めつけられたいわけ？｣

耳の元でポツリと小さく呟かれ身体の震えが止まった。

｢ほら、俺の肩に手引っ掛けて。そうそう｣

言われるがままに、私はシャルにおぶってもらう。

｢クロロ、そんな怖い顔しなくても何もしないよ｣

｢･･･ああ、わかった｣

｢じゃあ、いくね｣

シャルはそう言ってからたまり場から出て行った。

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