<H×H> 君がいれば - I miss you - 1

story 022. ページ23

ムプルタウンからアジトまで結構あり、

帰ってきた頃には月が顔を出していて道路には明かりが灯されていた。

アイスだけじゃ足りなかったのか、シャルは隣で

｢ご飯食べに行こ｣

と店の前を通るたび連呼していた。

シャルの言葉に耳を傾けながらAも空いてるのかなと思っていたけど、

そんな素振りは見せず、自分の指で遊んでいた。

その表情はどこか哀しそうに見えたのは気のせいなのか･･･

今でも車から降りようとせず、下を向いている。

少し先で足を止め振り返るフェイタンとシャルに

手で先にいけと、伝えると二人共前を向いて歩き出す。

後ろのドアに手をかけ開けると、規則正しい寝息が聞こえてきた。

｢寝てたのか･･･｣

｢んっ･･･｣

ぼそっと呟くと返事をするようにAは息を漏らす。

｢おい、起きろって｣

揺すっても短い声を上げるだけで中々身体を起こすことはなかった。

｢風邪ひくぞー｣

｢んー･･･｣

頬を軽くつねっても眉を寄せ皺を増やすだけだった。

仕方なく、おぶっていこうとAの腕を掴んだ瞬間

自分の腕を誰かが掴んだ。

いきなりのことに驚き、ゆっくと目線を動かすと

シャルが真顔で立ち尽くしていた。

｢･･･先に行けって伝えたろ｣

｢んー、言ったけど遅いから来ちゃった｣

てへっと笑いながら片目を閉じるシャルを見てため息をついた。

｢A運んでくれるか？｣

｢･･･なんで？別に怪我、してないでしょ？｣

そう言うとシャルは車内に顔を突っ込んだ。

｢寝てるんだ、ゆっくり運んでやれ｣

｢じゃあ、起こせばいいじゃん｣

シャルがそう言った瞬間、さっきまで起きなかったのが嘘のように

Aがむくっと起き上がった。


　
　

story 023.→←story 021.

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

○○の包帯

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す