<H×H> 君がいれば - I miss you - 1

story 014. ページ15

｢･･･ちっ｣

クロロに聞こえないくらいの音で、舌打ちをした。

んだよ、久しぶりの休みなのにさ。

空気悪。誰のせいだよ。

しかも、寒くなってきたし。

なんなの。誰のせいだよ。

ちらっとクロロの方に視線を向ける。

少し、困ったような顔をしながら、

さっきと同じように器用に運転をしている。






･･･知ってるよ、誰も悪くないってこと。

空気が悪いのも、寒く感じるのも、

私が嫉妬とか、勘違いしたりしたからだけど、

それはクロロの行動に問題があるんだもん。

どっちが、悪いかわかんないからどっちも悪くない。と思う。

それに、いい年の男だし、女くらいいても普通だしね。

でも、せっかくクロロから誘ってくれて、

滅多に人を乗せない愛車に私を乗せてくれたのに･･･

これじゃ、台無しじゃん。


あ、やばい。視界がぼやける。

足を曲げて手で抱え込み、下を向くと

案の定、頬を涙が濡らした。

無言で涙を流していると、次第に鼻水がたまってきた。

顔上げたら、泣いてるのバレる。

でも、鼻水が。どうしよう。


---------

いつものこいつなら違う言い方で返してくるはずなのに･･･

なんか、調子狂うな。

ちらっと視線をAに向けると、顔を伏せていた。

俺と出かけるより、マチ達と買い物の方が

こいつにとってよかったのか。

だとしたら、悪いことをしたな。


そんなことを思いつつ、運転をしていると、

Aが顔を伏せながら、何かを探しているのか

右手で自分の周囲を探り出した。

不思議に思いつつAを見ていると、

車のクラクションが鳴った。

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