<H×H> 君がいれば - I miss you - 1

story 013. ページ14

そうか。と言いながらクロロは暖房を切った。

おそらく、私の顔が赤いのは暖房のせいだと思ったのだろう。

｢長い間どこ行ってたの？｣

私はまた頬杖をつきながら尋ねた。

｢ファジラタウンってところにちょっとな｣

クロロがアクセルを踏み込み、私の身体は前に傾いた。

｢またお宝？それとも本？｣

｢いや･･･今回は違う｣

｢え？｣

いつもなら、そのふたつのどっちかなのに。

じゃあ、なに？

｢･･･女？｣

クロロはただハンドルを器用に操作し、答えようとしない。

｢ねぇ｣

｢そんな怖い顔をするなよ｣

クロロは細い眉毛を下にさげながら、笑う。

なに、その曖昧な態度。

クロロは違うなら否定をするはず。

でもしないってことは･･･

ドクンと大きく脈が動いた。

ふーん。童貞とか思われてるくせに、女はいるのか。

長い間留守だったし、そろそろ卒業ってことか。

それとも、もう･･･。

はぁ、世間からのイメージ崩壊じゃん。

子どもとかできたら蜘蛛辞めるのかな。

それで、子どもとか奥さん連れて遊びに来るのか。

そしたら、追い出してやる。

あーもう。訳わからん。腹立つ。

｢これが元だし｣

声が低く聞こえるかもしれない。

まぁ、イライラしてるから。




｢ああ、そうだったな｣





･･･おい、そこはつっこめよ、せめてフォローしろよ。

余計腹立ってきた。

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