<H×H> 君がいれば - I miss you - 1

story 010. ページ11

シャルと団長が戻ってきたのはいいけど、

えらくシャルがにんまりしてる。

不思議に思いつつ、パンを頬張る。



肩を触れられ、振り向くとパクがマグカップを持ち立っていた。

｢これ、団長のとこ持っていってくれない？｣

｢別にいいけど･･･｣

そういいつつ、マグカップを手に取る。

すると、コーヒー独特の匂いが私を包み込む。



｢団長、これ｣

クロロの近くにそれを置いた。

｢ああ、ありがとう｣

細くて長い指がマグカップの取っ手を掴み、

それを持ち上げ、一口飲んだ。

たったそれだけのことだが、綺麗な手の動きに私は目を奪われていた。





｢A？｣

｢え、あ･･･なに？｣

｢いや、ボーっとするの珍しいなって思って｣

｢私でも、ボーっとするよ｣

｢そうか｣

一週間近く喋ってなかったためか、何を話せば良いかわからず

喋りたくても、言葉が出てこなくて、もやもやした気持ちを

胸に積もらせていると、


｢団長、ここなんだけど･･･｣

シャルがクロロに資料らしいものを持ち、訪ねていた。

シャルはいいな･･･

作戦とかこれからの活動でクロロとは話が尽きないし、

会話がないばかりか、溢れる一方だ。


どことなく、溢れ出す不快な気持ちを胸に感じつつ、

二人の終わらない会話をただ聞いていた。

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