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経験値3 ページ5

急ぐ足取りは時間を追うごとに速度を速める。

時刻は午前9時20分。

出勤時間は9時半なので相当急がなくてはならない。

全く、いつからこんなに忙しくなったのだろう。それもあの不幸の連発のせいなのだが。強いて言えばこの状況も不幸といえる。

…そんな事考えている余裕も無い。手元の腕時計は容赦なく進み続ける。ああ、これは諦めた方が良いのか。
とにかく、今は急ごう。




赤いポストが道の向こう側にぽつんと佇む。私の働いている郵便局の目印だ。
腕時計の刺す針は9時25分。何とか間に合った様。


『謝る』
それは、人と関わる上で大切な事。自分の気持ちを素直に伝えて、謝罪の言葉を口にする。

ただ、私には一番憂鬱な儀式でしかない。

自分の過ちが人に迷惑をかける。それは人としてよくある事。わざとで無ければしょうがない事。

なのに、人はそれを嫌がって、躊躇って。表面だけの、『謝罪』で済ませてしまう。

人間とは、表面だけだった。


さあ、とうとう職場だ。これから、どんな仕打ちがあるのかな。どんな、不幸が。

ーーーーーーーー
つぎこそ、出てくる…はず…多分…

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作者名:師走 | 作成日時:2016年5月13日 23時

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