経験値16 ページ18
チョロ松side
視線がバッ、と寝ている彼女に向けられる。
そして何秒か経った後、青ざめた4つの顔が俺の方を向いた。
トド「……チョロ松兄さん……もしかしてレっ…チョロ「ちげーよ!!断じてちげーよ!!!!」」
冗談じゃない。やめろよ、そういうの。
一「じゃあなんで怪我してんだよ…」
おそ「そーだそーだぁ!お兄ちゃんに言ってごらん?なっ??」
ああっ、もうめんどくせーなあ!!!!
チョロ「お前ら絶対信じねぇだろ…?」
カラ「んー…まあ、話の内容によるな。」
疑いの目を兄弟達に向けると、キラキラと言わんばかりに目を輝かせた。
ああ、もう話す気力も無い。情けなくため息をつく。
するとますます4人の顔がアップになり、うげ、と後ずさる俺。
しょうがない、こうなればヤケクソだ。
チョロ「郵便局の子って言っただろ?関係はそれだけ。だけどその怪我と連れてきた理由は、轢かれそうになってた所を助けたから。
…もうこれでいいか?俺疲れたんだよ…」
ちゃぶ台に突っ伏して言うと、少々納得の行かない様子のおそ松兄さんが口を開く。
おそ「んー…オカンタイプのチョロ松だからなぁ…嘘とも言いきれん。」
うんうん、と首を上下に振る5つの頭。
おそ「でもな、普通受付と客、って関係だけで助けるか?下手したらお前も死んでたかもしんないんだぜ?」
こんなダメ長男でも、やはり長男だ。見透かされている。
痛い所ついてくるなぁ、
チョロ「……目に入ったから、つい……」
するとおそ松兄さんは、ふーん。と一言呟き、
「ま、いっか。あとは彼女ちゃんが起きるのを気長に待ちましょーかぁ。」
と弟達に投げかけた。
…実はさっき、少しだけ嘘をついた。
これは嘘と言っていいのかわからないけど。
「目に入ったからつい」
本当は、これだけの理由じゃないはず。
だけど、理由が見つからなかった。見つけられなかった。
なんだか、ちょっとモヤモヤするのは何故?
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作者名:師走 | 作成日時:2016年5月13日 23時