日常63:どうする気? ページ14
あそこで抵抗してもどうせ逃げられないと悟った私は言われたとおり神威たちに付いて行き、夜兎工業高校のある教室に通された。
落書きだらけの壁。教室の端に散り散りに置かれた机や椅子。血の跡のような汚れ。
きったな……。荒れてんなァ……。つっぱりハイスクールロックンロールってかオイ。
「で?私をどうする気?」
弱いところを見せちゃダメだと私は腕を組み、なるべく強気な態度で教卓の上に座っている神威にそう聞く。
教卓の隣には阿伏兎と呼ばれていた男が呆れた顔でため息をついていた。
「大人しく言うこと聞いてくれたらどうもしないヨ。とりあえず君のナイト様に連絡入れて」
「は……?ナイト様?」
私にナイト様なんていたっけか?
私は神威に向かって意味がわからないと首を傾げる。
「銀魂高校の風紀委員さんのこと。君の彼氏なんだろ?」
「嫌。なんで呼ばないといけないの?」
ふんっと顔を背けると神威は教卓から降りてつかつかと私に近づいてくる。
「……いうこと聞いてくれないと」
「……っ!?」
ぐっと私の顎を掴んで顔を近づけてくる神威。目の前でにこっと笑う神威に背筋がぞっとする。
「殺しちゃうぞ」
「……嫌だよーだ」
べーっとベロを出す。
それなのに神威は表情ひとつ崩れない。前も思ったけど笑顔が崩れない人っていつも怒ってる人より怖くてなんか不気味だ。
「……阿伏兎、抑えててよ」
神威が私の顔から手を離し、阿伏兎と呼ばれる男が私を後から羽交い締めにする。
「ぬわ!!なに、どこ触ってんの馬鹿!」
「どこも触ってねェよ人聞きの悪いこと言うな女子高生」
「私は桜っていうちゃんとした名前が……ちょ、何してんのあんた!!」
ビクともしない、無駄な抵抗とわかりつつ私は阿伏兎から離れようとじたばたする。そんな私の目の前で神威は私の鞄をごそごそと探り何かを取り出した。
「お、あったあった」
「おい!返せ!コラ!離してよこの老け顔!」
こんの悪ガキ……!!
41人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらんぼ(プロフ) - み。さん» 返事遅れてすいません!更新遅れていますが必ず更新しますのでまた見に来て頂けたら嬉しいです! (2019年6月20日 17時) (レス) id: d49ab2e33b (このIDを非表示/違反報告)
み。 - 頭の爽やかな高校教師w 更新頑張ってください! (2019年2月10日 21時) (レス) id: e459f629a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくらんぼ | 作成日時:2018年10月22日 17時