【11】サブリーダーの苦悩 ページ23
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「最近心臓らへんがぎゅーって痛いんだけど、これなに?」
「いや、おれ医者じゃねぇから知らねーよ、笑」
疲れとかじゃねーの?具合悪いなら酷くなる前に病院行けよ?と、シルクは再びパソコンに視線を戻した。
なーんか最近ぼーっとすることも増えたんだよなぁ・・・・・・
いつからそうなったのか明確には思い出せないけど、そうなるのって決まってAといるとき。
この前、免許取りたてのおれが発したドライブに行きたいってワガママに付き合ってくれた時もそうなった。ほら、あいつの車MTじゃん?おれMTで取ったからATの車ばっかり乗っちゃうといざってときに困るし。
笑った顔みたり、「マサイたん運転イケてるよ!かっこいい!」とか言われたりすると、ぎゅーってなる。なんだろ、あいつ病原体なの?(真顔)
「、それってさぁ・・・・・・」
「ん?」
「・・・・・・・・・いや、」
「なんだよ、気になるから言えよ」
「・・・・・・マサイってほんとアホだよな」
「はぁあ?!」
「Aが病原体だったら今頃おれら死滅してんぞ」
「・・・・・・・・・それもそうか、」
なんだよ、なんかわかったと思ったのに。ますます謎が深くなったじゃねーか。
・・・・・・・・・そういえばアイツ、今日何してんだろ
「Aなら多分家にいるはずだけど」
「え、今声に出てた?」
「えぇ、バッチリと」
やっぱりおれなんかおかしいわ。
ずっとAのこと考えてるもん、撮影で会わない時は特に。何してるのかとか、誰といるのかとかめっちゃ気にしてる。ひどいときは寝れねーもん。
『、ぼくはオラフ』
『へ?どーした?』
『・・・・・・ぎゅーってだきしめて、』
数ヶ月前、メンバーで行った旅行の初日の夜の出来事と会話がフラッシュバックした。
部屋を出て話を聞いてた時、長い明るい髪の隙間から見えた首筋に今まで見たことのなかった痣をみつけた。「足も重たい」と言っていたのも気になって足首を見ると、同じように痣があった。きっと、連れてきてしまったんだ、と、シルクのように霊感がないおれにもわかった。
だから、あえてAには痣のことは伝えずモノマネをして甘えてきたそれに便乗して、抱きしめたってゆーか腕枕したんだっけ。
数日後、気付いた時にはその痣はどちらも消えてたから安心した。やっぱ伝えなくて正解だったな。
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作者名:むぅ | 作成日時:2019年5月6日 1時