悪役なりの精一杯の恋だから【ダイヤのＡ】

▼.２８ ページ29

◇貴方side◇






倉持と土曜日の約束をし、一緒に教室に戻った。



教室には一也が居た。






貴「一也戻ってたんだ」


御「ああ…」


貴「元気ないけど、どうしたの？」






浮かない顔をしているから心配だ。



そんな一也を見て倉持は「女にでも振られたんだろ」と冷たいことを言い放った。



一也に限ってそれはないだろう…。






御「うん、振られた」


貴「え！？」


倉「マジで！？」






私と倉持は大きな声を出して驚いてしまった。



そして、一也は静かに話した。






御「俺さ、香菜ちゃんのこと好きになったんだ」


貴「…そっか」






ついに、この日がきたんだ…。






御「だからさ、もう女遊びはやめる」


貴「うん…」


御「Aのことは好きだけど…

Aとの関係も終わりにする」


貴「わかった…」






終わり…か。






御「Aは美人だから、

男遊びしない方がいいぜ」






一也も同じこと言うんだね。



美人でも一也に好きになってもらえないなら



意味ないよ。



男遊びもしたことないよ。



本当に私のこと全然知らないんだね。






貴「一也、私は大丈夫だよ」






最後だと思い、



私に出来る精一杯の笑顔を一也に見せた。



こんなに人を好きになったのは初めてだった。



だから、これで終わりにしたくない。






私、一也のために頑張るね…



一也のためなら何でもするよ…。






その瞬間、



倉持が一也に見えないように手を握ってくれた。



倉持ありがとね…

▽.２９→←▽.２７

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す